オフラインデータの統合機能が大幅に拡張。「データインポート Ver2」発表!
前回までの連載では「Google アナリティクス AS “DMP”」としてユニバーサルアナリティクスで実現される“2つの統合”機能を中心に“簡易プライベートDMP”とも言えるプラットフォームへ進化しつつあるGoogle アナリティクスの姿を解説しました。
“2つの統合”とは「ユーザーID」機能と「データインポート」機能です。ユーザーID機能はクロスデバイスのCookieIDをサイトログインIDに統合(名寄せ)して集計する機能。「データインポート機能」はオフラインデータ(顧客属性データやCRMデータなど)をAPIやWeb UIでインポートしGoogle アナリティクス内の“キーディメンション”と統合(紐付け)することができる機能です。
この2つの機能によってサイト内セッションを一意のユーザーIDで集計し、そのユーザーIDに対してオフラインデータを統合することによるセグメントとターゲティングリスト活用の可能性について解説してきました。
しかし、オフラインデータのインポートについては、統合可能なキーディメンションがまだ限定的(デバイスのUserAgent情報やページURLなど)であったためにDMP的活用として期待されるケースにおいては使いづらい面もありました。5月28日、29日にサンフランシスコで開催された「Google アナリティクスサミット2014」においては、Google アナリティクスの様々な新機能や開発中の機能などが多数発表・共有されましたが、その中でも筆者が最も注目したトピックの1つが「データインポート Ver2」の発表でした。前述のように限定的であった統合可能なキーディメンションのバリエーションが大幅に拡張されたからです。
今回は、この「データインポート Ver2」の内容について詳細にご紹介し、活用の可能性について述べてみたいと思います。
インポートデータの拡張方向は3つ。ユーザー、キャンペーン、eコマース
今回のサミットでVer2が発表される前のデータインポート機能(従来のインポート機能)では、インポートできるデータセットは「費用データ」と「カスタムデータ」という2つのタイプのみでした。費用データは“AdWords”以外の広告データ(インプレッション、クリック、コスト)のことで、インポートしたデータを表示するレポート画面も「集客>コスト分析」に用意されているものです。
一方のカスタムデータは、前述の通りインポートしたデータを紐付けるキーディメンションも限定的であり、かつインポートする新しいデータ項目は「カスタムディメンション」であらかじめ作成しておく必要もあり、よってこのデータを見るにはカスタムレポートの作成も必要でした。
今回の発表で追加されたデータセットは、この2つのタイプのデータセットに加え以下の5つです。
- ユーザーデータ
- 商品データ
- キャンペーンデータ
- 払い戻しデータ
- コンテンツデータ
新たにこの5つのデータセットが追加された意味合いとしては、従来のデータインポートでは限定的であった紐付け先となるキーディメンションごとにデータセットが追加されたことと、インポートしたデータを閲覧するレポート画面も明確になっていることだと思います(ユーザーデータ以外)。
ある意味、追加されたキーディメンションごとに用意された「データセットのテンプレート機能」と言えるかもしれません。追加された新しいデータセットにはそれぞれ個別のキーディメンションが定義されているため、紐付けるインポートデータの内容もより定義しやすくなっていると思います。