不動産業界のデータエクスチェンジ構想も視野に
上村:すでにNabiSTARは試験提供を開始していますが、感触はいかがでしょう。
数野:プレセールスから4か月で8社、20物件で稼働しています。当初は、分譲マンションデベロッパーを中心に提供しており、将来的には流通仲介会社や、賃貸会社を含めた不動産業界全体に向けて提案をしていくことも考えています。
不動産会社の多くは自社データの活用に課題を抱えています。ユーザーが今どういう状況にあるのかを可視化することで新たなサービスが提供でき、今までにない消費者とのコミュニケーションが可能ということで多くのクライアントの共感を得ています。
上村:将来の構想についてはどのようにお考えなのでしょうか。
数野:NabiSTARを活用したプライベートDMPの将来構想として、3つのステップがあります。
現状のSTEP1では、HOME'Sのデータを不動産業界に展開しながら、個々の会社単位では難しい、深いレベルの分析や施策を実現して課題解決する。HOME'Sデータと各不動産会社、1対1の関係で各社の課題解決をしていく段階です。
STEP 2は、NabiSTARを利用している各社間の横方向での情報共有や相互利用の段階です。これによってデータの精度がさらに高まるので、この拡大を図っていきます。
不動産業界では、複数社がジョイントベンチャー(JV)でプロジェクトを組むことが多く、競合であってもプロジェクトでは同じ顧客データを活用しながらサービスをしている。ユーザーのインターネット上での動きが重視される中で、各社が個人を囲い込むのではなく、逆に情報を提供し合うことで、さらにサービスを拡大し、不動産業界全体がより良い方向に向かえるのではないでしょうか。もちろん情報の利用の仕方や、各社のプライバシーポリシー、ユーザーからの個人情報の利用許諾など法的な問題をクリアした上での話になります。
STEP 3では、不動産業界の様々なデータが集まってきたところで、ほかの業界とのデータエクスチェンジによる相互活性化を目指していきたいですね。例えば車・家具を購入したオーディエンス、結婚式を検討しているオーディエンスのデータなどをNabiSTARの持つ不動産業界データとエクスチェンジすることによって、新しいサービスやビジネスにも発展していくのではないかととらえています。
不動産業界の課題を新サービスで解消したい
上村:果敢に新規事業を立ち上げていますが、NabiSTARが大きくなることで、主軸であるHOME'S事業にも良い影響がありそうですね。
数野:そうですね。HOME'Sから出発して、そこでは集められなかったデータを集めることによって、HOME'Sのサービスもレベルアップする。相乗効果も想定しながら進めていきたいです。
僕の持論になりますが、メディアはメディアの提供だけではなくて、そこで培ったデータ・ノウハウを用いてクライアントの課題解決につながるような、ハイエンドなコンサルティングとそのオペレーション(運用)サポートを同時に行っていくことが一番のサービス提供につながっていくと考えています。メディア運営により得たデータとDMPに蓄積された企業データを融合し、さらに外部のオーディエンスデータなどを活用することでそれが実現できると思っています。不動産業界にはオンラインもオフラインもまだまだ様々な課題があるので、それを解消していくサービスをネクストとしてもどんどん作り上げていきたいです。
上村:ALBERTもそのお手伝いをしていけたらと思っています。今日はありがとうございました。
スモールスタートスケーラブルなALBERTの「smarticA!DMP」
ビッグデータ時代のマーケティングに必要不可欠なシステムとして、注目を集めるプライベートDMP。今回の対談から、その構築にあたり信頼できるパートナーと出会えるかは成果にも大きな影響を与えると言えそうです。
分析力を強みとし、独自開発かつスモールスタートスケーラブルなALBERTの「smarticA!DMP」は、DMP構築・運用を検討する企業にとって一考の価値があるのではないでしょうか。
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