全世界最適化視点に立った4段階別マーケティング戦略
世界各国でサービスを展開していくうえで、国によって投資対効果は大きく違ってくる。クルーズは4つのTierに分けて、マーケティング施策を行っているという。
Tier1(US、日本、UKなど、ランキングインさせるために必要なインストール数が多い国)
Facebook広告+アドネットワーク+ブースト
Tier2(Tier1の周辺国)
Facebook広告+アドネットワーク
Tier3
Facebook広告のみ
Tier4
広告施策は行わない(自然流入のみ)
「Tier4に分類していても自然流入のKPIが意外に良かった国は、Tier3に格上げしてFacebook広告を出稿してみます。そしてさらにKPIが良ければ、Tier2に格上げしてマーケティングを強化していきます。
また、国によってROASや継続率などが大きくかわることも重要です。発展途上国や先進国といった国による差以上に、メディアによる差の方が大きいことがあります。具体的には、発展途上国は全体的にはROASは低いのですが、Facebook広告に関しては先進国のその他ネットワークよりもROASが高くなることがあるのです。その場合は、発展途上国のFacebook広告に予算を投下する判断を行うこともあります。なので『国xメディア別』という指標でマトリックスを組んで考えていく必要があります」
ここで、Facebookに匹敵するようなプラットフォームはないのかとたずねたことろ、「例えばFacebookとGDN(Googleディスプレイネットワーク)が比較されるケースが多く見受けられます。GDNはアドネットワークであり、小規模メディアの集合体です。一つのSNSであるFacebookが、アドネットワークを上回るインプレッションを出したり、CVの送客ができるのです。その観点では、Facebookに類似するプラットフォームはないのでは」と指摘。
休眠ユーザーの掘り起こしにFacebook広告を活用していく
そして、今までの知見をもとに今後のタイトルで注力していきたいことは何かとたずねたところ、「これまでに獲得した既存ユーザーとのCRMにFacebookを活用していきたい」と語る。具体的には、カスタムオーディエンスやモバイルアプリエンゲージメント広告を活用し、休眠ユーザーに対して、Facebookを介して再びゲームで遊んでもらうように仕掛けていくという。
カスタムオーディエンス:広告主が持っている情報とFacebookのデータベースを照合し、広告ターゲットを設定できる機能(参考記事はこちら)
モバイルアプリエンゲージメント広告:既にアプリをインストールしているユーザーに対して、再びアプリを利用することを呼びかける。音楽アプリであれば「再生する」、ECであれば「おすすめ商品の購入」、ゲームアプリであれば「プレイする」といった行動をユーザーに促す。カスタムオーディエンスと併用することで、アクティブユーザーと休眠ユーザーを分けて、それぞれに適した広告を表示させることができる
「スマートフォンゲームは他の選択肢が多いこともあり、一度休眠してしまったユーザーを復帰させるのはなかなか難しいという課題があります。でも弊社としは、チャレンジングな施策として、休眠ユーザーを復活させる施策に取り組んでいきます。ユーザーのアクティブ度合いに応じたコミュニケーションの取り方に関しては、これから研究していきます。もちろん新規ユーザーの獲得に関しても、細かく分けたセグメントに対して最適なクリエイティブを配信し、スピーディーにPDCAを回し、引き続き強化していきます」
