実名制のSNSだからこそ、口コミの影響力・信頼性が強い
2014年8月の開校に向けて、ISAKは2010年から学校のプログラムを体験できるサマースクールを5回開催している。2回目のサマースクールの説明会を開催した際に行ったアンケートで、学校や塾を探す時にどのリードソースを一番信頼するかを調査したところ、口コミが断トツで一番だったという。
「これまで日本で流行ってきたSNSとは異なり、Facebookは実名制で実社会の延長線上にあるSNSという印象を持っていました。ですので、Facebookがさらに普及していけば、そこで巻き起こる口コミは影響力が強く、信頼性のあるものになるのではと。その点でISAKとの相性が良いと思ったことも、活用したきっかけです」

「運営資金のすべてを寄付金で賄い、生徒の奨学金比率も高いISAKがマーケティングに使える予算は、非常に限られていました。雑誌や新聞に広告を出稿するには、たとえ小さな枠でも数十万円というお金がかかります。雑誌広告は効果測定も難しいことに加え、その小さな枠の中では、新設校であるISAKの特徴を伝えきることはとてもできません。また財務責任者から、結果を実証できているものにしか予算は割けないと言われていました。
そこでまずはFacebookページを通して、ISAKに興味を持ってくださっている方たちに対して情報を発信していくことから始めました。どんなコンテンツが刺さるのかをFacebookページへの投稿でテストし、少しずつページポスト広告の施策と実績を積み重ねていきました。その小さく重ねてきた実績から、広告効果が見込めると判断ができたので、本番の生徒募集の際には通常よりも予算を大きく投下し、WebマーケティングについてはFacebook広告一本で施策を行いました」
ページポスト広告活用で、海外からのサイト流入増加/目標の2倍超の出願者を獲得
初めての生徒募集にあたり、全生徒の7割を占める留学生を、海外の口コミや学校関係者のネットワークが及ばない層からも獲得したいと考えていた。学校の教育理念に共感する優秀な子どもたちにリーチし、目標応募者数(定員の4倍)の10%をFacebook経由で獲得することをゴールにしていた。

実際に広告施策を実施した時期は、11月22日から12月末までの約1か月半。ターゲットエリアは、タイ、スリランカ、バングラディシュ、マレーシア、シンガポール、ネパール、フィリピン、韓国、ミャンマー、ベトナム、インドネシア、インドの11か国。それらの地域に住む「保護者(38~55歳/英語ユーザー/大学卒業者/既婚または結婚ステータス不明)」と「中学生(13~16歳/英語ユーザー)」の2つのセグメントに向けて施策を実施した。
「過去にサマースクールのページポスト広告を出稿して反応の良かった国に加えて、ISAKの方でまったくリーチができていなかった国にもトライアルで出稿してみました」と桑田氏。その結果、公式サイトのページビューは51%、新規訪問者数は124%も伸長した。

「以前は、ウェブサイト訪問者の72%が日本人でした。Facebook施策を行ったことで、サイト訪問者の約7割が海外からという状態に大きく変わりました。大きくFacebook広告に予算を投下したのは年末が最後でしたが、継続的に海外からのサイト流入は続き、現在でも約6割が海外からのビジターです。広告をきっかけにたくさんの海外の方にリーチすることができ、その後も1度リーチした人たちが継続的にFacebookページの投稿を見てくれて、ウェブサイトへの訪問につながっているのでしょう」(桑田氏)
また、「Facebook広告活用の最終的なゴールは、学校が求める人物像に近い出願者を多く獲得することでした。結果として233人の応募者の22%、さらに50人の合格者の20%がFacebook経由でした。50人の合格者うち、18人はサマースクールの経験者でした。それ以外の残りの32人の4割が、ISAKを認知したきっかけがFacebookということもわかりました。これは驚異的な数値ですよね」と桑田氏。
