リアルタイムで店舗在庫を把握し、現場とECの連携を強化
そして、店舗とECの連携については、「商品紹介の記事では、色番やサイズなどを指定することで、リアルタイムでの取扱い店舗や在庫の有無がわかるようになりました。このシステムでは、欠品対策にしきい値を設定して10分毎に更新しています。また、ECで扱っている商品には、購入ページへのリンクがつくので、その場でお買い上げいただくことも可能です」と清水氏は語る。
店舗とECは対立するものではない
実は、ウェブが充実してくるとECに顧客が流れ、店舗の売り上げに影響が出るのではないか、という懸念も社内から出たという。
「そこで、商品の在庫をECとしては持たないようにしました。出荷は店舗から行い、売上は担当店舗につける、という形をとっています。複数の店舗が在庫をもっている場合は、その都度の判断で、主に在庫が多いところにつけます。そうすると、店舗から不満が出ることはなく、逆に在庫状況などの連絡が積極的に来るようになったので、販促の方向性を定めやすくなりました」(清水氏)
CMS導入のインパクト、コーポレートサイトのPVは70%超上昇
導入してわずか1か月で、その効果は明らかに現れた。「前年と比べて、コーポレートサイトのセッション数は45%、PVは72.8%上昇しました。滞在時間や直帰率なども全て大幅に改善したので、かなり驚きました。ECサイトでも、セッション数26%、PV27%アップ。他の数値も全て20~30%上がっています。売上はまだそれほどインパクトはありませんが、今後はもっとシステムを充実させて、本格的に販促施策を打ち出していきたいですね。まずは、コーポレートサイトの商品紹介ページに直接ECサイトのカートボタンをつけたり、その場で店舗在庫の取り置き依頼を受けられるシステムも検討していきたいと考えています」と清水氏。
今後は、会員情報の管理機能も充実させていく。現在、コーポレートサイトで会員がログインすると、登録情報やポイント数を確認できるが、将来的には基幹システムやPOSなどともっと連動させたいという。
「店舗とECサイトの垣根を無くしていきたいですね。例えば、すでにECで購入しても店舗と同じポイントが貯まったり使えたり、また店舗での購入履歴もオンラインで確認・管理できる機能を実装しています。DMの反応率の良さからもわかるように、もともとコアなユーザーが多いので、オンラインでも適切な販促をかけられれば、結果は必ずついてくると考えています。お客様がECと実店舗の区別なく、必要に応じて使い分けていただけるようなチャネルに育てていきたいですね」(清水氏)