海外での広告配信は2つの視点が重要
編集部:国内と海外で、広告配信の勘所に異なる点はありますか?
門田氏:広告を配信するだけならば、システムがあれば全世界に配信することができます。ですが、その国独自の文化や慣習を知っていないと、簡単に成果を出すことはできません。グローバリゼーション、ローカライゼーションの合わせ技が必要だと感じています。
例えばマレーシアは、2,900万人の人口のうち2,100万人がムスリムです。ECの売上は、7月末にラマダン明けを祝う「ハリラヤプアサ」というお祝いの前に、一番の盛り上がりを見せます。お祝いに必要なものを揃えたい、という意欲が高まるのでしょう。逆に、この時期を逃すと大きな損失となります。当然、広告効果はこの時期が高いのですが、文化を知らないと効果を出すことができません。
また、国によって適した広告表現も異なります。日本の広告では「マイナスX才肌」みたいな表現がよく見られます。しかし台湾では、「5歳若返ります」といった化粧品の広告は禁止されています。言語の違いのみならず、このような「違い」を踏まえたビジネス展開が必要です。
さらに、現地の人間が使用するデバイスの普及状況も知らねばなりません。例えば東南アジアではいま、急激にスマホが普及しており、利用状況は日本とほぼ変わらなくなりました。電車の中でもみんなスマホをいじっている、日本に似ているんです。またタイのLINEユーザーは、ゴールデンタイムのテレビの視聴者数よりも多いと言われています。この状況に合わせた広告の配信が重要です。
当社とSyndacast社、両社の持つノウハウを駆使してお客様の売上アップにつながる広告配信をしてゆきたいと考えています。まさに始まったばかりの取り組みですが、まずは海外決済サービスの加盟店様のうち半数のお客様にご利用頂くことを目標に展開をできればと思います。