旅行口コミサイト「TripAdvisor」は、旅行動向調査「トリップバロメーター」を発表した。同調査は世界7エリア32か国で実施されたもの。今回は旅行者の心理に注目し、「トリップバロメーター 旅行者の心理」と題して調査が実施された。
旅の目的は自由・解放と視野を広げること
旅行に行く動機について、「人生を思う存分楽しむ」「現地の生活や文化に溶け込む」などの16の要素の中から、旅行に求めるものとして最もよく当てはまる要素を2つ選択してもらい、要素を組み合わせ、「旅に行く動機」を8つに分類した。その結果、世界の旅行者の71%が「視野を広げる」ことを旅行の主な動機として選択しており、次いで「自由・解放」(62%)を挙げている。一方、日本の旅行者は70%が「自由・解放」を、66%が「視野を広げる」こと、52%が「興奮」と答えた。なお、「興奮」の項目は日本人が世界で最も高いスコアを出しており次いでトルコ(48%)、中国(44%)という順だった。
日本人は到着時の興奮度が最も高く、帰国時の興奮度が最も低い
旅行における5つのフェーズ(予約、到着、滞在、出発、帰宅)において、どのような気持ちになるかを尋ねたところ。世界の旅行者の傾向としては、予約から旅先への到着時にかけて「興奮」がピークに上り、自宅へ向けて出発する時に一番「満足」するという結果が出ている。興味深いポイントとして、日本人は予約時に最も「興奮」すると回答しており、その割合は77%に上る。これは、世界平均の54%と比較してもかなり多いと言える。
日本人は旅先へ到着時にも「興奮」を感じており、到着時の「興奮」世界平均は54%に対し、74%と高い割合を示す。この興奮度合は到着時をピークに旅行の終了に向けて徐々に低下し、帰宅時には3%にまで落ち込む。世界平均の帰宅時の「興奮」が9%であるのに対して、日本人の帰宅時の「興奮」度合は世界の中で最も低くなっている。
また、「安心」に関しても興味深い曲線を示している。滞在中に安心感を得る日本人は8%に留まる一方で、自宅に向け出発する際には30%まで戻り、帰宅すると「安心」感を覚える日本人は56%に達する。これは世界平均(29%)を上回り、調査対象国の中で最も高くなっている。
旅行から戻ると次の旅行の計画を立てる
旅行から戻った後、普段の生活にどのような影響があるかを尋ねたところ、世界の旅行者の66%(日本人だと52%)が「次の旅行の計画を立てた」と回答した。ひ同時に、3人に1人は旅行から帰ってくると言語など「新しいことを学んだ」と回答した(世界の旅行者37%、日本人旅行者39%)。一方、旅行から帰って来た後に「他人に対する偏見がなくなり受け入れられるようになった」と回答した人は、世界の旅行者では45%であるのに対し、日本人では23%に留まった。同様に「自分が住んでいる街を以前よりも認識し、あちこち行ってみた」(世界34%、日本24%)、「環境への意識が高まった」(世界31%、日本22%)も、世界と比較して低いスコアとなった。
【調査概要】
集計期間: 2014 年7 月17 日~8 月5 日の間にオンラインで実施
対象国・地域: 世界7エリア32か国
対象者:世界の一般消費者39,721名と宿泊施設代表者14,083名の計53,804名
(うち、日本の一般消費者は1,963 名、宿泊施設代表者158 名の計2,121名)
実施機関:調査会社Ipsos
【関連記事】
・宿泊施設のCV、口コミに返信している場合21%アップ【トリップアドバイザー調査】
・3人に1人、転職が決まったら旅をする【トリップアドバイザー調査】
・旅行予約サービス、スマホからの利用者増も利用時間はPCが2倍以上【ニールセン調査】
・旅行を思い立つきっかけは友人や家族との会話、SNSでの発信目的も【JTB総合研究所調査】
・Tokyo Otaku Modeがオンライン旅行サイトのExpediaと連携、訪日需要の拡大目指す