VTSRによるオプティマイゼーション
今回のマウスコンピューターの動画広告キャンペーンでは、VTSRを指標としたオプティマイゼーションも行っています。具体的に言うと配信を行ったサイト別でのVTSRを計測し、VTSRの高いサイトに配信するインプレッションを多く割り当て、逆にVTSRレートの低い媒体については配信するインプレッションを少なくするというオプティマイゼーションです。これにより3月から開始した同キャンペーンのVTSRレートの大幅に改善を成功させました。

今回の結果を受けて氏家氏は「今後はサイト解析ツールのデータと連動した運用を行っていきたい。新規流入の違い、リピート来訪の違い、平均PVの違い、CVの違いというような来訪後の数値を、素材のテーマ別・尺の長さ別・スキップの有無別・配信先サイト別などの指標とクロスし、データに基づいた運用を行っていきたい。」と述べています。
2つの異なる動画広告キャンペーン結果からわかること
今回2つの事例を紹介しました。共通点は単純なラストクリックコンバージョンのみで動画広告の効果を判断するのではなく、認知獲得、態度変容にについて定静的な側面、定量的な側面より検証を行い、判断をしていることです。
現在の動画広告は、ディスプレイ広告を応用するカタチで発達したアドテクノロジーを組みあわせて広告キャンペーンを行う事が出来るようになっているため、様々な角度から動画広告の価値を計測できるようになっています。それらをうまく組み合わせれば、動画広告をより幅広い目的で活用することができます。
動画広告の未来

今回の「動画広告ことはじめ」は日米の市場感から広告主サイド、媒体サイドでの具体的なハウツー情報、動画コンテンツの在り方など複数の視点から動画広告について解説してきました。
日本でもテクノロジーの進化、回線速度の高速化、スマートフォンをはじめとするデバイスの進化によりユーザーが動画に触れる機会が格段に増えてきています。それに伴い、動画広告を活用した成功事例も耳にするようになっています。
今後、企業によるオンライン動画の活用は益々増えいく傾向にあることは間違いありません。またメディアサイドにおいても、広告主からの広告出稿量が増えてきているだけでなく、動画広告を始めるための環境も整ってきており、動画広告を開始するためのハードル低くなってきています。動画広告をビジネスモデルの主軸としたメディアの新規参入が始まるのも、そう遠くない未来だと言えるでしょう、
表現力が強く企業のメッセージを伝える事に適している動画コンテンツは、企業とユーザーとのコミュニケーションの中心になっていくでしょう。この機会をうまく捉え、マーケティングゴールを明確にしたうえで、広告・コンテンツ問わずオンライン動画を活用する事が企業のマーケターに求められることは間違いありません。
動画広告市場がしっかりと国内で立ち上がる事によりユーザーにとっても見たいコンテンツを、見たい時に、見たいデバイスで閲覧する事とのできる環境を用意する事ができるようになります。これは社会的にも大変意義がある事であり、より快適なコンテンツ閲覧の環境を創造できるものと考えています。