スマホ広告で消費者の共感を呼び、企業のブランディングを実現する、Antennaのネイティブアド
荒川氏によると、国内の主要なサービスは、ユーザーの利用の仕方やそれに伴う広告主の出稿目的にいくつかの傾向があるという。例えば、ユーザーの滞在時間。どちらかというと日ごとのニュースを扱うGunosyやSmartNews、また経済ニュースに特化しているNewsPicksの平均滞在時間は1~3分ほどと推測されるのに対し、趣味性の高い情報を扱うAntennaは5~10分程度と長く滞在することも多い。
「Antennaは速報性にこだわらずテーマ性のある記事をキュレーションしているため、OFFのモードで閲覧されていると各調査会社の発表でも言われています。弊社のデータ分析でも、実際に休日でもアクセスが落ちないのが特徴です。それぞれのサービスの特性を受けて、Gunosy、SmartNews、NewsPicksは新聞、Antennaは雑誌といったように、ユーザーが使い分けている状況があります」(荒川氏)
広告に関しては、GunosyとSmartNewsがアドネットワークとネイティブアドを取り入れ始めている中で、現状ではどちらかというとゲームのアプリダウンロードや資料請求申込みなど、集客や購買など“刈取型”の出稿がされているのに対し、Antennaは広告商品を独自UIのネイティブアドに特化し、ナショナルクライアントを中心にブランディングを目的に出稿されるケースがほとんどだという。
ネイティブアドにはいくつかの定義があるが、「各メディアのUIに忠実に、自然に消費者へ訴求できる広告」と提示する。「ユーザーが普段使っているメディアやサービスの中で、記事コンテンツと同じ体裁で自然になじむペイドメディアだと考えています」
ユーザーに情報として楽しまれる広告のカタチとは?
日本でも一定のユーザー数を有する画像SNS「Pinterest」では、すでにネイティブアドが積極的に取り入れられている。PinterestのUIは、あるテーマで検索するとそれに沿った投稿画像が投稿者の情報とともに並べられるが、その中にテーマに合致する広告も含まれており、それをタップすると掲載商品の購入サイトへ飛べるようになっている。
同じようにAntennaでも、スマホのUIなら縦一列に、PCサイトなら画面上にコマ割のような形でユーザーごとに最適化された記事コンテンツの見出し画像が並ぶ中、同じトーンで広告主の見出し画像が配信される。それをタップすると、記事コンテンツと同じ体裁のコンテンツが表示され、さらなる情報を知りたい場合は広告主のサイトへ飛べる仕組みだ。最近では、見出し枠が画面内に収まっている間だけ再生され、その先へと誘導する動画広告も増えている。「我々はこれを『コンテンツ型ネイティブアド』と呼んでいます」
「タップしたらいきなりアプリのダウンロードサイトへ誘導されるような、通常の記事コンテンツと異なる動きは、ユーザーが非常に嫌悪感を抱きます。そうではなく、できるだけ自然にコンテンツとして認められるつくりとし、それ自体をまずはコンテンツとして楽しんでもらう。提携メディア様のコンテンツも広告主様のコンテンツも、コンテンツとして位置付ける。その上で、さらに興味のある人は広告主様のサイトへと進めるようにしています。Antennaのユーザーに対しては効率ではなく共感を追求し、そのこだわりの姿勢は広告代理店様、広告主様の理解も得られ始めています」(荒川氏)