過去最大規模のMarkeZine Dayにトップランナー集結
押久保:サントリービジネスエキスパートの坂田さん、リクルートジョブズの板澤さんには以前、ヤフーの友澤さんとの対談企画に登場いただきました(参考リンク)。取り組みの形は違っても、目指すところは一緒なのかなと思いまして、今回は友澤さんも交えて少し大きなテーマで話せればと考えています。まずは、日ごろの業務の内容から教えていただけますか?
板澤:リクルートジョブズの板澤です。当社はリクルートグループの中でもタウンワークやフロム・エーなど、アルバイト・パート系の情報を主に扱っています。私はその中で、Webマーケティング施策の開発とアプリ開発、それから6名のデータサイエンティストとともにデータ基盤の構築や分析を行っています。
坂田:サントリービジネスエキスパートの宣伝部でデジタル広告を担当しています、坂田です。サントリー宣伝部というと、ブランド広告のCRを思い浮かべる方が多いと思いますが、それは酒類、ビールや食品などの事業会社が中心に企画しておりまして、当社は各事業会社を支援する位置付けです。私のチームでは、ザ・プレミアム・モルツや角瓶、伊右衛門などすべてのブランドのコミュニケーションをネットの視点でプランニングし、事業会社とともに進めています。
友澤:ヤフーの友澤です。我々マーケティングイノベーション室では、数多くあるヤフーのサービスの広告案件の統括と、名前の通り新しい案件の推進を主に行っています。最近だとコンテンツマーケティングの模索として、3Dプリンタと連携した「さわれる検索」や、リアルタイム検索を体感できる「トレンドコースター」などを発表しました。
言語解析で自然な会話が実現―「パン田一郎」LINE公式アカウント
押久保:ありがとうございます。では、直近の施策と成果をうかがいたいのですが、板澤さんのところでは、フロム・エー ナビのCMキャラクター「パン田一郎」のLINEが話題になりましたね(参考記事)。
板澤:有償のAPI、LINEビジネスコネクトが発表されてすぐに取り組み、7月に公式アカウントを開設しました。スポンサードスタンプの提供を機に一気に“友だち数”が伸びて、今は約825万人になっています(2014年10月現在)。当社のターゲットはそもそも若いので、近年スマホからのアクセスが非常に伸びており、PCの4倍になっています。そのため、主な情報提供のデバイスがスマホになりつつありますね。
押久保:パン田くんのLINEは、他の企業のアカウントと違って、まるで本当に会話をしているかのようなスムーズなやり取りができるので驚きました。これは自社開発ですか?
板澤:そうですね。LINEの企業利用ではプッシュ型が主でしたが、プル型でユーザーが情報を取りにくるようにできないか、というコンセプトなんです。日常会話は、ユーザーのコメントの文章構造や意味を理解できるようにし、会話辞書を充実させています。求人情報とも連携しているので、「新宿のカフェで昼にバイトしたい」などとコメントするとユーザーが意図した条件の情報を返すなどの機能もあります。
当初は本当に話しかけてくれるのか不安もありましたが、9月に1億3,000万のメッセージをやりとりし、Twitterなどでもパン田一郎とのトークのキャプチャ画像が数多くアップされるなど、想定以上の結果になっています。