Lideaはどのようにして生まれたのか?

――そもそもの企画の発端は?
中村:構想を考えたのは2年半ほど前からですね。サイトが分散していたことでトラフィックやリソースも分散してしまっていたのでどうにかしたい、というのがそもそもの発端でした。さらに、スマートデバイスやソーシャルメディアの台頭、データ活用など、課題と感じるテーマが幾つも存在していました。社内的にもその課題意識は共有できていたと思います。その辺りから構想を練り始めて、1年半程前にコンセプトが固まりましたね。
――すると、誰かが強引に突破したというようなことはなく、社内的に下地が存在していたということですね。
中村:そうですね。2011年に情報発信の専門家として「暮らしのマイスター」が誕生し、また以前から生活情報サイトそのものは存在していました。生活情報に関してはどこよりも質の高いコンテンツを作れる人がいる強みと場所はすでにあったので、これにDMP等の新しい技術も取り入れて、今の時代に合わせてリニューアルしたということです。
――阿部さん、というかワンパクさんは今回のLideaプロジェクトの中でどういった位置づけになるんでしょうか?
阿部:パートナーですね。開発や制作もやっていますが、プロジェクト全体のプロデューサー的な立ち位置でもあります。
――例えば、今回のLideaの場合だと、ワンパクさんの他に、フリークアウトさんや他のベンダーも複数存在するわけなのですが、これらを束ねているのはワンパクさんなんですか?
阿部:今回のLideaで新規に関わってもらうようになったパートナーはワンパクでチームビルディングを行い、提案から一緒に関わってもらい、統括的にプロジェクトマネジメントしています。
――数あるベンダーの中からワンパクさんに決めた理由は何だったんでしょうか?
中村:サイトデザインだけ、もしくはインフラだけを作れる企業は多数存在するのですが、両方がハイレベルでできるところは選択肢がほとんどありません。それができた上で、当事者として向き合ってくれているのを一番感じたというのが大きいですね。今でも印象に残っていることは、「うちのやり方は、クライアントさんにも汗かいてもらいますよ」とはじめに言われたことですね。
阿部:僕らがコンテンツを作ってメディアを運営することもできますけど、それだとライオンさんでやる意味ってないですよね。ライオンさんの中には暮らしのマイスターとしいう素晴らしいコンテンツを生み出すクリエイターがいるわけですから、この力を抜きにはLideaはありえないと思いました。ですからライオンさんにはメディアとしてのあり方そのものを考え、つくるところから一緒に汗をかいて、自分ごととして関わってもらうことは必須だったんです。それを出来ないと言われたら、僕らも今回の話には乗りませんでした。今となってはライオンさんと心中する気ですからね(笑)。
中村:自分達としても新しい取り組みでしたから、不安がないわけではないんです。ですから、こちらは指示された通りに実行しますよ、というスタンスの所では、御一緒いただくのは難しいなと思いました。メディアを立ち上げるのがゴールではなくて、そこはあくまでスタート。そこから一緒に走り続けてくれるパートナーを探しており、一番信頼できると感じたのがワンパクさんでしたね。
――今回のLideaはかなり力を入れていると思うのですが、Lideaを実現するにあたって他のサイトや広告の予算が減ったということはあるのでしょうか。
中村:いえ、Lideaは新規投資という位置づけで予算を新たに確保しました。
――なるほど、他サイトの予算を削って、捻出したわけではないのですね。確かにそれだと社内からの反発は少なそうですね。こういったオウンドメディアの施策に取り組む企業側の悩みとして、自分達が発信したい情報を掲載するにあたって適切なメディアがない、また広告費の再配分という話も耳にしますが、この点についてはいかがでしょうか。
中村:現時点の構想としては、広告費の削減とかは違うかなと思っています。価値のある情報を提供していくことは、商品を提供することと同じようにライオンにできるサービスの一環だと考えていますから。
阿部:自分達が発信したい情報を掲載するにあたって、世の中に適切なメディアがないというよりは、日々の生活の中の課題に対して“研究”というスタンスで真剣に向き合っている、暮らしのマイスターレベルのコンテンツを作れるライターさんやメディアは存在しないのではないかと思いますね。
中村:むしろ生活情報を扱うメディアには、暮らしのマイスターをどんどん活用していただきたいですね。
――Lideaの今後はどうなるのでしょうか?
中村:2020年に日本一の生活情報メディアになるのが目標です。
阿部:システム面ではトライしてみたい部分があります。コンテンツの「META DATA化」です。コンテンツをHTMLベースで保持しておくのはもう限界なのでは、と思っているんです。例えばPCからスマホに変わってコンテンツのリサイズが必要になった。これからもウェアラブル端末とかが普及してくるかもしれないわけですが、その度に既存のコンテンツを一からつくり直したり、リライトするのって無駄だし、いつか限界が来ると思うんです。コンテンツを作る段階から「META DATA化」しておくことで、デバイスごとにリサイズすることも簡単になるし、APIとかでコンテンツパートナーにコンテンツを提供することも簡単になる。システム面ではそんな構想を持っていますね。
