断片化が進むユーザーに接触するためには、フラグメンテーションの解決が不可欠
断片化したユーザーに接触するには、断片化された接触面にアプローチできるように網を広げていくしか対処方法はありません。ECサイトであれば、日々増える商品を自社のページで更新し、複数のモールに同期させたり、商品やメディアごとに広告や販売促進を実行していくことが求められます。

こうして文字で書くのは簡単ですが、実際に手作業で実行するのはかなり難易度の高い作業です。多くの商品の在庫の変動状況に合わせて広告の状況は変化させなければいけませんし、取り扱いがなくなった商品はすみやかに広告も取り下げる必要があります。仮に高いコストをかけて人海戦術を取ったとしても、取り扱う商品すべてに対応するのは現実的ではなく、システムで解決していくデータフィードという概念が徐々に採用されるようになりました。
データフィード広告で、フラグメンテーションを解決する
つまり、フラグメンテーションをシステム面から対応するアプローチがデータフィード、それを広告として応用したのがデータフィード広告です。そして、検索連動型広告のデータフィード版が「商品リスト広告」で、ディスプレイ広告では「動的リマーケティング」や「Criteo」などがデータフィード広告です。
これらの広告は、情報の鮮度が担保できるだけでなく、訪問や閲覧履歴をもとにデータフィードから自動的に関連性の高い広告を表示することもできます。これまでの手動で作成していた広告と比較しても高いROIを出せるようになっているため、急速に普及が進んでいます。
データフィード広告は、メディアだけでなくデバイスのフラグメンテーションにも対応することを意味しています。商品リスト広告は2013年3月からモバイル対応を開始していますが、ここ最近ではモバイル向けの表示は積極的に更新が加えられており、詳細情報やレビューなどが確認できるほか、商品画像を360度で見ることができる仕様も追加されています。

モバイルEコマースの成長率は著しく、矢野経済研究所が2013年10月に発表した調査でも、スマートフォン経由の購買活動は年々拡大し、既にEコマースの2割程度がスマートフォン経由だとも言われています。フィード広告がモバイルに最適化されていることで、急拡大するモバイルEコマースに自動的に対応することになります。
また最近では、商品リスト広告にはLocal Inventory Ads(ローカル在庫広告)という機能も日本で開始されたため、オンラインだけでなく実店舗の在庫情報も含めることが可能になっています。

フラグメンテーションの浸透によって、何もしなければ総接触面積はどんどん減っていってしまう一方で、リアルタイムに様々なメディアと情報の同期が確保できれば、接触面積は逆に増やすことができます。企業のプロモーションにおいて、データフィード広告はフラグメンテーションに対しての有効な回答の一つだと言えるでしょう。