2014年は大きな変更ないが、モバイル中心に新たな動き
2014年は、世間を騒がせるような大きなアルゴリズムの変更は特になかったといえる。しかし、モバイルを中心に多くの目新しい動きがみられた。例えば、スマートフォンでサイトを閲覧した際、ユーザー視点で最適ではないサイトに対して、Googleは検索結果上の表現に手を加えている。また、2、3年で、GoogleはSEO目的のために作られたサイトや、そのサイトからリンクを受けているサイトに対して大きく規制を加えてきた。2014年はある程度これらの精査が進み、専門家以外の人も啓蒙がされた段階に入ったと言える。また、2014年の主な出来事として、次の事柄を挙げることができる。
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Author Rank(オーサーランク)の終了
キーワードを検索した際、コンテンツの権威を示す、Googleのアルゴリズムの一つ。2014年夏に廃止が発表された。 -
ハミングバード
キーワード単体ではなく文章構成で評価をするGoogleのアルゴリズム。例えば、「りんごを買う」という検索キーワードの場合、従来は「りんご」「買う」を含むサイトが優先して表示された。だが、ハミングバード導入以降は「りんごを買う」という文章全体が考慮され、検索結果に反映されるようになった。 -
SNSに対する評価
Facebookの「いいね」の数やTwitterのフォロワー数等は、検索順位に影響を与えることはないとGoogleは正式に発表した。 -
SSL認証(https)
Googleは、SSL認証をランキングシグナルに利用すると明言している。しかし、2014年12月現在、検索クエリ1%未満の影響と軽微な様子。
2015年はスマートフォン対策とコンテンツ拡充が肝
現在、スマートフォンのシェアが拡大を続けている。Googleはこの傾向を考慮し、今後もスマートフォンに対し何らかの施策をすると予測できる。例えば、Googleはサイトがスマートフォンに対応しているか確認できる「モバイルフレンドリー」というサービスを提供している。検索順位を決定する要素としてGoogleは実験的に施策を行っている現状も踏まえ、今後スマートフォンに対する施策が、より増加する傾向にあると考えられる。実際にGoogleは、次の者に対して規制を加えると明言している。
- Flashの使用
- スマートフォンサイトへの適正なリダイレクト方式に対応していない
- スマートフォン向けサイトへの最適化をしていない
以上のことから、スマートフォン向けの施策が必要不可欠だといえる。また、質の低いコンテンツがある場合順位を下げる「パンダアップデート」に代表されるように、Googleの方針として他者のコンテンツをコピーし、自分のコンテンツとして成り立たせているサイトやページ、オリジナリティに欠ける低品質なサイトやページへの対策を一層強化している様子が伺える。
業界的には2014年はコンテンツマーケティング元年ともいわれ、Googleもコンテンツの重要性を説いてきた1年だった。そのため、Googleの評価基準がリンクからコンテンツへ変わったと受け止め、SEOのためだけのコンテンツ作成等に取り組む動きも一部見受けられた。しかし、ユーザーにとって価値ある体験の提供、コンテンツの重要性をGoogleは昔から説いている。そのため、決してSEOのためだけではなく、ユーザー視点で価値があるコンテンツ、オリジナリティがあるコンテンツの充実を心がけていくことで、本質的なサイト、コンテンツ価値の向上に繋がると考えられる。
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