どんな情報がほしいのか、仮説を立てる
例を挙げましょう。たとえば、自社が英会話学校を経営しているとします。潜在顧客としての対象ユーザーは、英会話学校に関連して、どういう情報がほしいでしょうか? どんなことがしたいのでしょうか?
筆者が想像したのは、いろいろな英語学習の教材を見つけたい、講師がどんな人なのか詳細に知りたい、自分の英語レベルがどんなものなのか知りたい、自分の英語がどこまで実践で使えるのか知りたい、といった行動インサイトです。
とにかく想像力を広げて、出していきます。あなたがエクセシオールカフェのマーケティング担当であれば、どうでしょうか? 潜在ユーザーは、エクセシオールカフェや一般のカフェに関連して、どんな情報がほしいでしょうか?どんなことをしたいでしょうか? たとえば、カフェでの癒される時間の過ごし方を知りたい、ネタになるようなコーヒー関連ネタを知りたい、空いている時間帯を知りたい、といったことが思い浮かびます。
FIFAワールドカッププロジェクトの場合にも、チーム内で行動インサイトをいくつか挙げていきました。ワールドカップは単なるサッカーのイベントではなく、お祭りと位置付けていましたので、対象ユーザーはコアなサッカーファンとワールドカップファン(一般の人)でした。そうした対象に対して、サッカーをテーマに、行動インサイトをリストアップしていきました。参考までにいくつか、挙げてみましょう。

当然、筋がよいものも、悪いものもありますが、正解かどうかは気にせずにとにかくリストアップして、自分やチームの頭の中に行動インサイトを埋め込んでおくことが重要です。
これがないと、筋が悪い、つまり、ユーザーがほしいと思っていないコンテンツを無駄に議論してしまうことになります(もちろん、コンテンツを議論する中で明らかになってくる行動インサイトもありますが、戦略的なプロセスを踏みたいのであれば、行動インサイトを先に検討しておいた方がいいでしょう)。
このようなユーザーの行動インサイトを出したら、次は、実際にコンテンツを企画化するプロセスに入ります。前回FIFAワールドカップの際に提供したコンテンツの概要を紹介しましたが、その企画の成り立ちの事例をいくつかのパターンに分けて、ご紹介しましょう。