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成功の秘訣は「気軽にはじめて“みんな”で楽しむ」こと、新規ユーザーを掴むシーズナルイベント施策

2015/02/25 12:00

 バスキュールの事例を活用して「Webクリエイティブの発想と具体策への落とし込み」を制作者視点で紹介する本連載。最終回はシーズナルイベントがテーマ。「TOYOTOWN」と「Twitter」の事例から、クリスマスが与えるワクワク感と、企業のキャンペーンを上手につなげる方法を開設します。

「シーズナル×デジタル」で新規ユーザーにリーチ!

 普段はあまりスポーツを見ない人でも、ワールドカップやオリンピックなど国民的イベントであれば「テレビやニュースを見て話題にしてもいいよね!」と思えることはありませんか? もしくは、「いつもはプレゼントなんてしないけど、バレンタインデーやクリスマスなら、プレゼントしてもいいよね!」と思える人もいるのでは?

 世の中が盛り上がるビッグイベントやシーズナルイベントは、人々にとって「普段はしないけどちょっとやってみてもいいかな」と思わせる特別感を持っています。つまり、「日頃は参加してくれないユーザーにも手が届くチャンス」とも言えます。そんな特別感をうまくキャッチし、新たなユーザーにリーチを伸ばすにはどうしたらいいのでしょうか?

 一番大事なことはシーズナルイベントとしての楽しさ、盛り上がりが前面にあること(クライアント側の思惑や狙いは、ちょっとオブラートに包んでおきましょう)。そして、第3回でも触れましたが、参加者自身の行動によって結果が変わるという、「ユーザーが関与すること」に明確な意味をもたらす体験を提供する場であるかどうかです。“自分や友だちが参加したらどうなるのか?”が感じられることで、シーズナルイベントを楽しみたいというエモーションを参加する行動に変えることができます。

 今回はクリスマスというシーズナルな場を使って、祭りの場をつくりだした2つの事例をを紹介します。

リアルイベントをデジタル化して、場をパワーアップする

 数々の参加型施策を実施している「TOYOTOWN」のスペシャルコンテンツとして実施されたのが、「PRIUSαNTA すごいプレゼント交換会」です。これは、クリスマスにリアルイベントとして開催されたら嬉しくなることをデジタルによってパワーアップさせ、「もっとすごいイベントにしよう」という考えからスタートしました。

 今回のコンテンツの大きな課題は、車に興味がなく接点のない層に対していかに商品特性をPRするかでした。この場合、単純にユーザーに感謝を伝えるプレゼントキャンペーンを実施し、盛り上げるだけではミッションを果たせません。そこで考えられたのが、この企画です。

 Amazonで販売中の商品の中から、セレクトされたアイテムを選び、日本中の参加者全員でプレゼント交換を行うというもの。参加者には1日1回、手元のプレゼントを公開するチャンスが与えられます。プレゼントをチェンジするのか、キープするのかを、キャンペーン最終日でクリスマス当日の12月25日まで続けます。最終日に手元にあったプレゼントが抽選で当たるというルールです。

 参加者は「クリスマスプレゼントをもらえるかも」という動機で、気軽に参加します。そして、プレゼント交換のルーレットに毎日参加して、SNSでシェアすることで横の広がりをつくっていきます。すると、「ゆるいつながり」と「毎日変わっていくプレゼント」が楽しくなって、日々アクセスすることが面白くなっていくのです。

 さらに、チェンジしたりSNSでシェアをするほど、プレゼントの当選確率を高められる設計にしました。そうすることで、情報が広く拡散されていきます。そのため、シェアから興味を持つ人も出てきます。このように、新しい参加者を招待する仕組みと、バイラルが絡み合うことで大きなユーザーを巻き込むお祭りになっていきました。

 一方、クリエイティブはTVCMと連動したものになっています。TVCMではビートたけし扮する、たけしサンタがハイブリット車「PRIUSα」でプレゼントを届けるというもの。一方、プレゼント交換会のサイトでは、みんなのプレゼントを積んだPRIUSαが宇宙空間で大きな輪を作るというアプローチをしました。

 加えて、選んだプレゼントがPRIUSαにどれだけ積載できるかが表示されます。PRIUSαの積載容量の大きさという訴求ポイントを、その日の状況に合わせて変化させながらリアルに伝えたのです。また、毎日クイズを出題し、当選率のアップというメリットを提供しながら、PRIUSαの訴求ポイントや魅力を刷り込んでいきました。

 プレゼント交換のゲーム性を考慮しながら、あらゆる導線に車種を訴求するコンテンツを設置することで、様々な特徴やエモーションを毎日の参加の中にシームレスに訴求していきました。車種の魅力を感情・数字で訴求し、理解を促進し、販売店へとつなぐコンテンツを用意することで、課題のクリアを目指したのです。

 このイベントには、約26万人が参加。マスの世界観とデジタルの世界観がつながり合うことで、普段は車との接点がないユーザーにも幅広く参加しやすいイベントとなりました。

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