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Jストリームと米Piksel社に聞く、国内外で急速に拡大するエンタープライズ企業の動画活用

 誰もが動画を手軽に利用できるようになったことで、企業による動画活用の中でも改めて注目されているのが、社員教育やモチベーション向上などを目的とした社内コミュニケーションへの活用だ。これをテーマに、日本における動画配信のパイオニアであるJストリームは2月4日に“Enterprise Video Communications”と題したセミナーを開催。セミナー後、同社のプロダクト戦略を担当する竹見氏と、同社の動画プラットフォーム「J-Stream MediaLize」の開発元である米Piksel社のジョイス氏に、現在の国内外のエンタープライズ企業の動画活用事例と今後の展望について明かしてもらった。

国内外で進むエンタープライズ企業の動画活用

MarkeZine編集部(以下MZ):動画は今、企業のマーケティング活動に欠かせないものとなっています。一方で、社内コミュニケーションを目的とした動画の活用にも取り組む企業が増えているそうですね。

Piksel Inc. Chief Commercial Officer ケビン・ジョイス氏(写真左)株式会社Jストリーム 配信事業統括本部 企画室長 竹見嘉洋氏(写真右)
Piksel Inc. Chief Commercial Officer ケビン・ジョイス氏(写真左)
株式会社Jストリーム 配信事業統括本部 企画室長 竹見嘉洋氏(写真右)

竹見:はい。企業の広報部門や人事総務部門、あるいは社内トレーニングやナレッジの共有のためにということで営業部門など、さまざまな部門にニーズがあります。それを受けて2月4日、社内向けの動画活用をテーマに「Enterprise Video Communicationsセミナー」を開催しました。

 その中では当社のパートナー企業である、米Piksel社のグローバルマーケティング・セールスを担当しているジョイスさんを迎えて、海外の最新事例を話していただきました。

MZ:では、まずジョイスさんにうかがいますが、海外のエンタープライズ企業の動画活用について、現状を教えていただけますか?

ジョイス:2005年にYouTubeが登場してちょうど10年、企業がプロモーションなどに動画を活用することはごく当たり前になりました。これは日本でもそうだと思いますが、企業の動画がたくさんシェアされ、ソーシャルメディア上で話題になることもよくあります。

 まず社内向けの話をする前に、今海外で起こっていることをお話しします。もっと顧客の本業に貢献するような動画の活用の話です。

個人のスクリーンを使った新たなビジネスモデル

MZ:本業に貢献する活用、というと?

ジョイス:動画がシェアされて話題になるのは、PRやプロモーションの一環ですよね。それを越えて、動画の普及によって企業が収入源を得る手段が生まれているということです。

 例えば、飛行機にはたいてい映画などを見られるスクリーンがついていますが、業界全体で見ると実はスクリーンを持たない、エンターテインメントを提供していない航空会社が65%と多数派なんです。

 でも、今では乗客がそれぞれスクリーンを持っています。スマートフォンやタブレットです。これを活用すれば、スクリーンを持たない航空会社も動画の提供ができ、そこへ広告を入れればマネタイズが可能になります。

MZ:なるほど。新しいビジネスモデルが生まれているんですね。

ジョイス:ええ。今や、いつでもどこでも動画を楽しめる環境が整っています。例えばブラジルのサッカーチームが、世界各国に暮らすブラジル人へオンラインで試合を配信して、視聴料や広告料などでチームの収益を上げることもできるでしょう。

 動画という、動的なものをそのまま伝えることができる利点を活かした例だと、アパレルのECサイトが挙げられます。サイトに洋服を着用した動画を添えたところ、イメージが的確につかめるようになり、売上向上や返品率の低下に貢献したそうです。

 一方、社内向けでも、さまざまな業種の企業で積極的な動画の活用が模索されています。

海外でも社内向けでは「営業支援」「社内広報」に有効

ジョイス:社内向けの動画の活用では、大きく分けて営業支援、社内広報の2つの目的で活用されていると思います。具体的には、営業支援はトレーニングやノウハウの共有。社内広報は、社員のモチベーション向上や、トップのメッセージ発信などがあります。

 営業支援の例だと、健康食品を扱うハーバルライフでは、92カ国・320万人の販売員への商品情報や販売ノウハウの共有に、動画を活用しています。個々人の視聴履歴を追うと、実際によく見ている販売員ほど成績が良いというデータも出ています。

 各国に工場があるといった場合も有効です。航空機メーカーのエアバスは、製造拠点など約500カ所にデジタルサイネージを設置して、デスクを持たない従業員へも情報共有に活かしています。

 こうした使い方は社内だけでなく、代理店やパートナー企業との間でも十分可能です。どこかに集まってトレーニングや共有会をするより、コスト削減にもなります。

MZ:社内広報という点では、いかがですか?

ジョイス:例えばデルタ航空では、社長が社員へ毎週メッセージを発信しています。彼らはノースウェストを買収しましたが、組織の合併などの際には社内が揺らぎやすいものです。それを防ぎ、企業の推進力を高めています。

 社内を一体化させ、強い組織を作る目的では、実は当社Pikselでも動画を使っています。我々も世界中の動画関連企業23社がひとつになってできあがっていて、5カ国8オフィスで運営しています。そこで「Piksel TV」という動画チャンネルで、毎日のように個々の社員の動きを紹介しています。

今まさに国内でも拡大している社内向け動画配信

MZ:では竹見さんにうかがいますが、国内でも社内向けの動画活用が進んでいるのでしょうか?

竹見:ええ、先進的な企業ではすでにかなり進んでいると思います。当社のクライアントでも、メディア企業から一般企業まで幅広く使っていただいています。目的としていちばん多いのは、やはり教育による営業支援ですね。エンジニアのスキルアップのための研修動画から、優秀な営業マンの商品紹介の仕方を共有するなど、いろいろな使い方があります。

 トップメッセージのライブ配信もご要望が多いです。テキストと違って情緒的な情報まで含めて伝わるので、年頭の挨拶などは数多く協力しています。

MZ:具体的な事例はありますか?

竹見:例えば携帯キャリアショップを展開するITXさんでは、当社の動画配信プラットフォームを活用して、全国拠点の社員が利用する社内SNSで、従業員が自らモバイル機器などで撮影したセールストークや店舗紹介などの動画を共有されています。

MZ:特に社内広報が目的だと、広報部や総務部が扱うことになるのでしょうが、IT関連にはそこまで明るくない印象があります。

竹見:まずマーケティングや販促部門などが社外への動画活用を始め、その効果に注目して社内も、という流れで関心が高まっていますが、たしかにご指摘の点を懸念されることはあります。その点でも、プラットフォームの使いやすさを評価してもらい、活用されるケースがほとんどですね。

動画プラットフォームに求められる使いやすさとセキュリティ

MZ:動画の活用が広がる分、特別な知識やノウハウがなくても使えるという点は必須になりそうですね。それを含め、国内外問わず、動画プラットフォームにはどんな条件が求められていますか?

竹見:使いやすさはたしかに重要です。それと併せて、PCやスマートフォンはもちろん、デジタルサイネージなどのマルチデバイスへの配信にも、きめ細かく対応していくことが重要で、そういったニーズは高いといえます。

 社内向けの動画配信だと、セキュリティ面での安全性も欠かせません。アクセス制限をかけている企業も多いので、一般的な動画共有サイトはあまり使われず、当社のようなビジネスユースの動画プラットフォームが選ばれています。

 また、Salesforceやeラーニングシステムなど、すでに使っているITプラットフォームとの連携もポイントになると思います。情報システム部門など、自ずとIT関連の部門とやり取りをすることにもなるので、スムーズに運用できる体制も含めたサポートの要望も大きいですね。

これから拡大するエンタープライズ企業の動画活用をサポート

ジョイス:当社は業界20年の蓄積があり、社内外のコミュニケーション、さらにはデバイス横断的な配信をすべて単一のプラットフォームで管理できることが強みです。企業のビジネスに動画をますます効果的に使っていただくために、Jストリームとそれぞれの強みを活かして多面的な展開をしていくつもりです。

竹見:当社は1997年の設立以来、動画配信事業を続ける中で配信サービスだけではなく、動画やWeb制作から運用までのすべてをサポートするフルポートフォリオを提供してきました。Piksel社もメディア向けやエンタープライズ向けに包括的なサービスを提供し、グローバルでの実績を重ねています。そうした高い技術力と「クライアントのビジネスを伸ばす」という観点を併せ持つPiksel社とのパートナーシップは非常に有効だと考えています。

 また2015年は、日本国内でエンタープライズ企業の動画活用がさらに盛り上がっていくと確信しています。そのような中、日本の商習慣にあったきめ細かいサポート、例えば広報部門のご担当者さまに代わってIT部門と調整するといった、エンタープライズ企業に求められる総合的な導入ご支援のケースもさらに増えていくと思われます。

 Jストリームは日本の会社なので、海外の技術やノウハウを活用しつつ、さらに日本独自のエッセンスを加え、国内のビジネス環境に合ったサービスを提供していくことが責務だと考えております。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/03/20 12:29 https://markezine.jp/article/detail/21974