コンバージョン率とは何か?
Web構築・運営のコンサルティングをやっていると、インセンティブなどを使った短期キャンペーンで集中的に潜在顧客(Prospect)を集めるのと、商品力やWebのユーザビリティを長期的に上げていった結果として、そこそこの潜在顧客を集めるのと、どちらが企業にとって良い施策なのか?とよく尋ねられます。
この答えは非常に難しく、「ケースバイケースですね」と逃げるしかないのが現状です。例えば、それが主に低額商品を扱うECサイトで、日常品のように連続性のあるものをメインにしているのであれば、短期にProspect層を集客するのは間違っていない施策だと言えます。ターゲットに対して必要なのは、まず商品やその周辺情報に触れてもらうことですし、うまくいけばその場で購入してくれるかもしれないのですから。
しかし、何千万円もするようなシステムやソリューションを売る場合はどうでしょう? インセンティブを提供してネームをかき集めても、それがProspectかどうかはわかりません。単にPotentialでしかないのかもしれません。また、何の決定権もない層を無理に集めるよりも、きちんとWebサイトやパンフレットで納得させ、セミナーなどに誘導して徐々に意識を高める必要があるかもしれません。ただ、そのための"Door Opener"としては、インセンティブや短期の集中キャンペーンは有効…という考え方もありえます。
このように、「集客」という施策にはさまざまなシチュエーションが考えられるからこそ、Webサイトの本当のKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)とは何なのかを考えるべきだと思うのです。
そのひとつの指標が、いわゆる「コンバージョン率(conversion rate、以下CVR)」、つまり申込(登録)率とか購入率とか呼ばれているもので、最終的にWebサイトの訪問者がどれくらいの確率で購入または会員化に結び付いているかを測るものです。
「そんなこたぁ、誰だって知ってらぁ」とお叱りを受けそうですが、いやいや、意外とこういう考え方をしている企業は少ないのも事実です。その理由はおいおい述べていくことにしますが、ここでは「最終的な決定率はもっと注目すべき数値である」ということだけ覚えておいてください。ただし、商品によって数値は上下しますので、「これが標準」と呼べる数字はありません。
媒体別の一般的なCVRの算出式は、以下の通りです。
- DM:コンバージョン数(申込数)÷DM発送数
- DRA(新聞や雑誌):コンバージョン数÷発行部数または実質認識数(発行部数×認識率)
- Webサイト:コンバージョン数÷TOPまたはLPへのアクセス数(ユニークユーザー数)