SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

オウンドメディア最前線

「認知増加というレベルに留まってはいけない」月間約410万PVで独立採算のメディアを運営するLIG


 一企業のブログながら月間約410万PV(2015年1月計測)を稼ぐ株式会社LIG。それも、主な執筆者はプロの書き手ではない70名の社員というからオドロキです。Web制作という超レッドオーシャン市場のなかで、自社のファンを作るために始めたブログですが、いまや広告出稿も受注し「メディア事業」として会社の収益に貢献しています。オウンドメディアへの考え方や運用体制について伺いました。

Webデザイナー募集の記事で社長を砂浜に埋める

 ── こんにちは。オウンドメディアと言えばLIGさんということで伺いました。多くの読者から支持されていると聞いています。

 ありがとうございます。当社は2007年に代表の岩上貴洋がWeb制作会社として創業し、12年に合併で現体制になりました。当時の課題は「認知度がないこと」。Web制作市場は競合がひしめくレッドオーシャン市場で、検索しても自社の名前は出てきません。「LIGって会社があるんだよ」「ここにいるよ」と分かって欲しくて、ブログを始めました。

株式会社LIG 編集長 朽木誠一郎氏
株式会社LIG 編集長 朽木誠一郎氏

 ブログを「メディア」と捉えたのは、合併後にLIGの共同代表になった吉原ゴウです。面白いことが好きな人間で、今でいう「面白コンテンツ」の制作に積極的でした。当社の認知を一気に上げたのが、12年に公開した記事「伝説のウェブデザイナーを探して…」です。社長を砂に埋めたコンテンツ、と説明した方が早いでしょうか。

 ── 社長を……?!

 はい。一言で言うとWebデザイナー募集の記事なのですが、募集概要だけを書いても面白くないので、社長を砂浜に埋めて写真をアップしてみました。当時は悪ノリだったかもしれませんが、ファン獲得という意味では「最適」だったと考えています。

 ── 「最適」ですか。

 12年1月に本格的にブログを始め、「伝説のウェブデザイナーを探して…」を公開したのが秋。ここでPVが約90万に伸びました。その後も、例えば13年春の「ジェイ引退のお知らせ」、4月の「結婚のご報告。30年間彼女がいなかった僕が、秒速で結婚できた理由」あたりがバズり、2015年1月時点の数字は月間約410万PV、UU数は約180万程度になりました(参考:400万PVを突破しました【LIGブログの1月度アクセス解析】)。

 ちなみに「ジェイ引退のお知らせ」は、ジェイという人気広報の退職にまつわる記事、「結婚のご報告。~」はネット上で募集したお嫁さんと入籍したという記事です。後者は現在Facebookで3.5万イイネ!を獲得しています。

 ── ギャグセンスがないと御社ではやっていけないんでしょうか…。

 いえ、そうじゃないんです。ファンを作るためには社員を好きになってもらうことが大切だと考えたんです。まずは社員に対する印象を良くしてもらって、「LIGって面白い会社だな」と思ってもらえたら、と考えました。

 また面白コンテンツは全体の約2割くらいで、残り8割はマジメな記事なんです。当社にとってブログは、もともと自社の技術をアウトプットする場でした。エンジニアはコードの話、デザイナーはPhotoshopの使い方などをUpします。すると、LIGに何が出来るかが分かるんです。他企業の「ブログ」とは、少し毛色が違うかもしれませんね。

 10名~20名くらいの外部ライターさんにもお手伝い頂いていますが、基本的には約70名の社員が執筆しています。もともと商業ライティング・編集の経験があるのは編集長の私だけです。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
自社メディアを独立採算で運営 LIGの柱のひとつに

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
オウンドメディア最前線連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/03/23 13:29 https://markezine.jp/article/detail/22123

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング