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コストをかけて継続的にコンテンツを発信する目的を再考しよう

 一方で、自社サイトをメディア化し、ユーザーに価値ある情報を「定期的に」提供することでコミュニケーションを図ることが大切、とも昨今よく耳にします。SEOの観点からも、コンテンツの蓄積による資産効果があると説明を受けたことがある人も多いのではないでしょうか。

 確かに、一度商品・サービスを利用してもらった顧客に定期的に情報を提供して良好な関係を継続し、アップセルやクロスセルにつなげていくことは、ビジネス成果に繋がるでしょう。しかしながら、いつどんな頻度で訪問するかわからない潜在顧客に向けて、コストをかけて継続的に新しいお役立ち情報を発信することにどんな目的・意味があるのか、立ち止まって考えたことはあるでしょうか。ここで言いたいのは、継続することに意味はないということではありません。「新しい情報を定期的に発信する」ことを、なんとなく正しいことと考えて疑問を持たずに実施していませんか?

 さらにいったん始めてしまうと、コンテンツが増え、PVが増えることは可視化されやすいので、施策を続けていること自体にやりがいを感じて満足してしまうことも……。「これまで続けてきた」事実は、今後も続けることの理由にはなりません。

 企業の活動はマーケティングの一環であり、価値の創造と提供による顧客の獲得です。繰り返しますが、商品やサービスを販売するという観点を忘れてはならないのです。ニュースサイトのようなメディアの場合は、収益は広告販売に拠るところが大きいため、PVを目標と設定することは一つのビジネス成果を計る指標として適切ですが、商品・サービスの販売が目的の企業がメディアを運営する場合は、売り上げにつながる、または極力近しい指標をビジネス成果として置いて追求すべきなのです。

あらためて“コンテンツ”の定義を再考

 これまで、コンテンツマーケティングにおいて多くのマーケターが躓きがちな点をいくつか説明してきました。ここであらためて、「コンテンツ(content)」とは何かを考えてみましょう。

the ideas, facts, or opinions that are contained in a speech, piece of writing, film, programme etc.
(LONGMAN DICTIONARY OF CONTEMPORARY ENGLISH ONLINEより)

 コンテンツとは単なるお役立ち情報のほか、伝える側(事業者)のアイデアや意見も含まれており、コンテンツマーケティングにおける“コンテンツ”はまさしくこちらの意味を指していると言えます。コンテンツを、企業というフィルタを通して生み出す。コンテンツを通じて読者(ユーザー)は企業や企業の商品・サービスに興味・関心を持ち、それが購買などの行動につながり、さらに多くの顧客に広がっていく。この不断の営みがマーケティングなのです。

 さて、ここであらためてコンテンツマーケティングに取り組んでいるマーケターのみなさんに問いかけたい。あなたのつくったコンテンツを、今一度見直してみませんか。そこにあなたは映っていますか。

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この記事の著者

三宅 史生(ミヤケ フミオ)

ソフトウェア事業部 責任者
東京大学工学部卒業後、2006年より株式会社ビービットでユーザビリティコンサルタントとして企業サイトの戦略策定、ユーザビリティ評価、サイトリニューアル、ログ解析に従事。クライアント企業は人材、金融、飲料、電機、SNS、ECなど多岐にわたる。過去のコンサルティング経験を基に「企業がツールを正しく活用して常に成果を上げ続けるため方法論」を構築し、人材、金融、飲料、電機、ECなど多岐にわたる企業への実績を残す。広告効果測定ツール「ウェブアンテナ」のサービス副責任者を経て、2013年より現職。

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/07/08 11:00 https://markezine.jp/article/detail/22571

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