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MarkeZine Day 2025 Retail

大元隆志のマーケター訪問記

プロダクトアウトオンリーの発想から、マーケットインへ/大田新社長に聞く、VAIO復活の戦略

海外展開も視野に/VAIO社は「村田製作所」スタイルを目指す

――海外展開などの計画は?

大田:はい、あります。現在主流の販売チャネルはソニーマーケティングさんのチャネルですが、これと別に販路拡大を行います。海外展開はまず、アメリカとブラジルへ展開します。

――一般的に日本企業はアメリカ市場より、アジア市場を開拓する傾向にあると思いますが、なぜアメリカとブラジル何でしょうか?

大田:海外展開に関してはゼロからのスタートになるので、パートナが必要になります。幸いなことにVAIOのブランド力はグローバルで支持されています。アジアや欧州、中近東まで幅広い地域からVAIOを販売したいという声を頂きます。その中でも南米はVAIO信仰が非常に強い。そこで海外第一弾のパートナチャネルとしてブラジルでNo.1のパソコンメーカであり販社であるPOSITIVOと手を組みます。POSITIVOはローエンド、ミドルレンジの製品を持っているので、VAIOをVAIOとしてハイエンドモデルとしてブラジルで販売します。

 アメリカはECサイトを活用してZ Canvasをクリエイター向けにVAIO社が直接販売します。ECによる直販とパートナチャネル、この2つの方式を試して、ノウハウがたまれば徐々に海外販売地域を増やしていく予定です。

――VAIO社のこれからはどういう方向に進むのでしょうか。

大田:パソコン市場については台数を追わず「VAIOゾーン」の確立を目指すということが一つ。ここでしっかり食べて行く基礎体力を作る。ただ、私たちはVAIOですから。世の中をワクワクさせることにもチャレンジしていきたい。2017年にはパソコン事業と新規領域事業を1対1の関係を作りたいと思っています。新規領域事業とはパソコン以外の製造、例えばロボットなども手がける企業になっていたいと考えています。

――ロボットですか?

大田:はい。私達の安曇野工場というのは実は「AIBO」を作っていた工場でもあり、ロボットなどを製造する技術がそもそもあります。DMM.COMさんの「Palmi」は、実は安曇野工場で作られています。それに加えて、精細なレーザ刻印ができたり「匠の技」が生きているんですね。この「匠の技」でマザーボードも作っていたりする。こういう精密機械を作る設備と、「匠の技」を活かして新たなビジネスを創り出したいと考えています。

――自社で企画・製造ができてパソコン以外も手がけていくとなると、村田製作所みたいな企業へと発展していくというイメージでしょうか。

大田:近いです。村田製作所さん。はい、まさにそのとおりだと思います。既にロボット以外の製造受託もかなりの依頼がきていますから。

――貴重なお話有難う御座いました。2017年のVAIO社が今から楽しみです!

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この記事の著者

大元 隆志(オオモト タカシ)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドインテグレーションビジネス推進部 エキスパートエンジニア
国士舘大学 経営学部 非常勤講師

通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。現在はCASBソリューションのセールス開発・プリセールスを担当する一方で、国士舘大学 経営学部にて学生向けに企業におけるクラウド、モバイル利活用について講座を担当する。最新のIT動向や技術動向分析が高く評価され、ヤフーニュース、IT Leaders、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/09/07 10:00 https://markezine.jp/article/detail/22930

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