タグピクは、9月1日、写真・動画のソーシャルネットワーキングサービス「インスタグラム」に特化したPR事業を開始することを発表した。プロダクション機能とエージェンシー機能を提供し、法人企業向けにインスタグラムを活用したプロモーションの企画、キャスティング、広告運用などを支援していく。
インスタグラムは、サービス開始から約4年で月間アクティブ利用者数が3億人を突破(2014年12月時点)。今日では、1日の平均アクティブ利用者数は2億人、1日の平均利用時間は21分間、日本のコミュニティも過去1年で2倍以上に増加しており(2015年3月時点)、写真・動画を通じたビジュアルコミュニケーションを提供している。
2015年5月より日本におけるインスタグラム広告の導入は順次始まっており、日清食品や土屋鞄製作所、ランコムなどが先んじて活用している。アパレルや化粧品などのブランド企業やEC事業者を中心に、マーケティングプラットフォームとしてのインスタグラムの活用に注目が集まっている中、このタイミングでインスタグラムに特化したPR事業を開始した背景について、同社 代表取締役社の安岡あゆみ氏にうかがった。
マーケティングプラットフォームとしての、インスタグラム活用の可能性
――日本でもインスタグラムのユーザー(以下、インスタグラマー)は増加していますが、その要因は?
安岡:インスタグラムと他のソーシャルメディアの違いは、感度の高い女性ユーザーが多いことです。今の若年層は、文章を書くよりも、写真1枚で感動や思いを伝えることのほうが合っているのでは。そんな理由からインスタグラマーが増えているように思います。
同時に、インスタグラマーにはオシャレな人、トレンドを追っている人が多く、GENKING(ゲンキング)さんのようにインスタグラムがきっかけで有名になった方や、女性誌でもインスタグラマーの特集が増えています。すでに様々なアパレル企業やコスメブランドがインスタグラムをプロモーションに活用していますが、その支援を強化していきたいと思い、タグピクの設立に至りました。
――インスタグラムを活用したプロモーションは、どのような業種・業界に向いているのでしょうか。
安岡:インスタグラムは、テキストで説明するブログなどのメディアとは異なり、写真のクオリティが高いコンテンツにいいね!が集まります。ファッションや旅行、グルメ、コスメなど、ビジュアルで魅力を伝えることができる商材は相性がいいでしょう。
――インスタグラムの広告が始まってからまだ間もないですが、広告表記への意識は?
安岡:これまでも企業のインスタグラムプロモーションを支援してきましたが、必ず関係性の明示をテキストで記載してきました。しかし、インスタグラムは長々と文章を書くメディアではなく、感性で使うものです。PRを明示することと同時に、インスタグラムの世界観をこわさないようにしていくべきでしょう。この点に関しては、業界としてルールをつくっていく必要があります。
――今後の展望は?
安岡:まずはコスメやジュエリーなど、ユーザーのブランドロイヤリティが高い企業向けに、ブランディングの戦略策定からプロモーション全般に至るまでのソリューションを提供していければ。また、弊社は影響力の強いインスタグラマーを多数ネットワーキング化しているので、インフルエンサーを活用した施策支援などで、広告代理店やPR会社とも協業していければと考えています。そしてインスタグラムでフォロワーを獲得するための戦略策定などのコンサルティングも行い、ファンを育成する支援もしていきたいですね。
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