ニールセンは、スマートフォン視聴率情報「Nielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)」、および、PC版インターネット視聴率情報「Nielsen NetView(ニールセン・ネットビュー)」のデータをもとに、動画サービスの利用状況に関する最新動向を発表した。
日米ともにYouTubeを利用、米国ではSVODも定着
ニールセンが独自に分類する「ビデオと映画」カテゴリにおいて、日本と米国のPCおよびスマートフォンからの利用状況比較したところ、各デバイスからの利用率は日米ともに、PCで約55%、スマートフォンで約80%と、デバイスごとでの大差は見られなかった。1人あたりの利用時間では、PCでは米国が日本よりも1時間程度長くなっていたが、スマートフォンでは大きな差はなかった。
次に、サービス利用者数のランキングをみると、日米ともにPC・スマートフォンで「YouTube」が1位だった。また、2位と比較すると2倍以上の差があることがわかった。1人あたりの利用時間の上位サービスでも「YouTube」の利用時間が長くなっているが、PCの場合日本では「ニコニコ動画」が1位となった。米国ではPC、スマートフォンともに定額制のストリーミング動画視聴サービス(Subscription based Video On Demand:SVOD)である「Netflix」や「Hulu」の視聴が根付いている特徴がみられた。
「Netflix」と「YouTube」で利用時間のピーク異なる
「YouTube」について、スマートフォンアプリからの利用時間シェアを時間帯別にみると、全体的に朝から夜に向かい利用時間割合が伸びていた。なお、利用時間のピークは日本では21時台、米国では20時台の結果となった。帰宅後いわゆるゴールデンタイムにスマートフォンで「YouTube」をみていると想定される。また、日本では朝7時~9時にも山ができており、朝の通勤通学の時間帯によく使われている特徴が見られた。
米国における「Netflix」と「YouTube」のスマートフォンアプリからの利用時間シェアを時間帯別にみると、「Netflix」は午前8時から13時までいくつかピークを作り、22時に最も高いピークを迎えていた。一方、「YouTube」のピークは20時と、「Netflix」と「YouTube」では利用する時間帯のピークが異なっていることがわかった。
同社のシニアアナリスト今田智仁氏は、今回の結果について「生活者はその時々に応じてTVやデジタルデバイスも使い分けて動画を見ていると考えられます。企業はデバイスやサービスだけに注目するのではなく、どういったシチュエーションの時に、どのサービスを、どのスクリーンで、どの時間帯に、どれ位の時間を消費しているのか、といった生活者の行動を理解し、コミュニケーションプランを考えていくことが重要となるでしょう。」と述べている。
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