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MarkeZine Day 2015 Autumn

社員の専門知識をコンテンツに。リアル店舗との垣根を越えた、カメラのキタムラオムニチャネル実践事例


社員の知識をコンテンツとして活用し、売上につなげる

5、商品紹介動画をYouTubeで公開

 また、カメラの新製品発売時にメーカーから実機を借りて、自社で動画コンテンツを作成している。「便利だけど、専門的でわかりにくい名称の機能をわかりやすい絵や言葉に置き換えて、売り場の接客トークをそのまま映像化することを意識している。具体的に手で動かして、こんなことが簡単にできる、というのを目で見せている。言葉だけで説明するのとは、わかりやすさに歴然とした差がある、まるでテレビショッピングのような形」と逸見氏。

 これまでの公開本数は約1,200本で、再生数は2014年までで179万回。YouTubeだけでなく、自社サイトにリンクを貼り、また接客タブレットでもすぐ確認できるようにしているという。もともとは社員向けの教育動画を制作していたチームが、顧客向けに作り始めた。メーカーも喜び、顧客にもわかりやすいと好評だという。

 「社内に動画をつくるノウハウ(コンテンツ)があって、それを活用している。これも立派なコンテンツマーケティング」(逸見氏)

6、プロフィットセンターとして機能するコールセンター

 また、同社のコールセンターでは店長・店舗経験者が対応しており、顧客だけでなく社内からの相談も受けている。さらに販売まで行い、月1,500~2,000万ほど売上があるという。一般的にはコストセンターとみなされるコールセンターだが、同社の場合はプロフィットセンターとして機能している。

 「ご相談に応えて納得していただいた時点で、顧客はもうその商品を買いたいわけです。だからその時、“近くにあるカメラのキタムラで受け取れるようにしますよ”とか、“宅配代引きでご住所にお届けしますよ”とご案内ができる。顧客にとっても、もともとその商品が欲しくて電話しているので、嫌な感じはしない。これも、専門知識があり、かつ、個々の相談に合わせた対応ができているからこそ。これもコンテンツマーケティングであり、キタムラの人間力×ECにつながる」(逸見氏)

専門性を活かしたコンテンツを、オムニチャネルで提供していく

  ここで同社の今後の注力事業として、写真プリントを逸見氏は例に挙げた。

 「キタムラのオムニチャネルは物販(カメラ・用品・家電販売)中心で、まだ半分しかできていない。大事な写真プリントをオムニチャネルで盛り上げるためには、顧客と長期的な関係を築き、家族単位で世代をつなぐライフタイムバリュー(ファミリーLTV)を上げていくことが重要になってくる。1回で終わるものではなく、5年10年とお付き合いが続くものだからこそ、写真・画像という専門性を活かしたコンテンツをオムニチャネルで活用し、同領域の事業拡大に取り組んでいく」(逸見氏)

“店舗も重要なコンテンツ”という意識に基づいた
新しい滞在型のプリントコーナー「フォトプラス」

 そしてこれからの展開として、自社の専門性をちゃんと理解したコンテンツマーケティングを、ネットだけではなく店舗やチラシなどオムニチャネルで展開し、さらに極めていきたいとした。

 「ネットがリアルを食うと言われているが、日本ではそんなことはないと思っている。これだけ様々な商品が様々な価格で売られていて、しかも住んでいるところと店が近いので、宅配でのネット通販が盛んなアメリカとは違う展開になるはず。大切なのは、企業が提供する商品・サービスの専門性がコンテンツそのものであるということ。人・知識・データベースなど何でも、顧客から見てその会社の専門的な部分で知りたいところを伸ばすことが大切だ」(逸見氏)

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:26 https://markezine.jp/article/detail/23299

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