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MarkeZine Day 2015 Autumn

社員の専門知識をコンテンツに。リアル店舗との垣根を越えた、カメラのキタムラオムニチャネル実践事例


店舗が持つ専門知識を見える化し、キタムラ独自のコンテンツマーケティングを展開

 一方、コンテンツマーケティングに関しては、「企業が発信したいコンテンツ(=その企業の専門性)を、受け取り手(個)に合わせた形・手段で提供し、顧客自身が納得・満足した上で、継続的な顧客になってもらうこと」(逸見氏)と解釈しているという。以上をふまえて、キタムラがどのような施策を行っているか紹介された。

1、店舗の負担にならないブログ更新

 各店がブログを持ち、1日に2~3本記事をアップ。全てSEOを意識して、顧客が検索時に使うキーワードをタイトルに入れて、書くよう研修している。ネタは本部から発信し、店舗の負担を軽減。店舗ごとに閲覧数がわかるようにしてモチベーションをアップしている。2012年のブログ公開数89万件/閲覧者数3,500万人だったが、2014年には公開数157万件/閲覧者数6,700万人にまで伸長した。

カメラのキタムラ 東京・渋谷店の店舗ブログ

2、メールマーケティングで来店動機を高める

 「これこそ、個に対するマーケティング」と逸見氏は説明する。目標は、店舗が常連に向けて定期的にメール配信し、来店動機を高めてリピート率を上げること。「デジタル一眼を買った顧客と、スタジオマリオで撮影した顧客と、スマホを買った顧客は、それぞれ響くキーワードが違う。また、情報に地域性がある場合も。それをメールに織り込んで、より細かい顧客に絞り込んで配信していく」と逸見氏は語る。

3、店舗でアプリ&ネット会員を獲得

 店舗では必ず、顧客にスマホ内の画像を簡単にプリント注文できる自社アプリ「プリント直行便」の活用をすすめている。顧客のメリットとしては、単価が安いことと、いつでもどこでも注文できること。店舗のメリットとしては、アプリ経由の注文の9割が店舗受け取りを選択するので、リピーター獲得が見込めることだ。「これも、顧客の写真へのニーズを、従業員の専門知識と会話力で引き込むコンテンツマーケティングだ」と逸見氏は指摘する。

 ちなみに、写真年賀状のネット注文におけるスマホ・タブレットの使用率は47%。徐々に上がってきており、店舗がアプリをすすめてきた結果がでている。「アプリユーザーの多くが女性。今は、スマホの写真で年賀状を作る世の中になってきている」という。

4、店員の専門知識を見える化して、マーケティングに活用する

 言葉だけ説明するよりも、目で見えると、顧客にとってわかりやすい。店頭での接客ではタブレットを活用し、商品画像や価格、スペック、保証、下取りなど、複数の商品の比較も簡単に行える。また、メーカーへの在庫・金額・納期の確認も不要となり、店舗側の接客の負担も減る。商品のコンテンツのことだけを考えて、接客に集中すればよいのだ。

 「専門知識をいかに顧客に“見える化”して、マーケティングに活用するか。これもコンテンツマーケティングになる。当社のタブレット接客は、まさにそれに該当する」(逸見氏)

 さらに、毎月1回本社で行われる地区事業部長が70人近く集まる会議では、どうやってタブレットを使って売り上げを伸ばすか、常に新しい施策をECとバイヤーが事前協議して、わかりやすく伝えている。

 「常に、自分たちの専門性を活かすことと、顧客のメリットを考えること。例えば、新製品予約をとったら、アクセサリ(レンズフィルター、液晶貼付フィルム、予備バッテリー、カメラバックなど)の予約と中古の下取りもおすすめする。顧客にとっては必ず使うアクセサリをその時に購入していれば楽で安くなるし、中古下取りは良い値引きになる。店舗にとっては、中古・アクセサリ販売は利益率がいいため売上げと利益に貢献できる」(逸見氏)

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社員の知識をコンテンツとして活用し、売上につなげる

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:26 https://markezine.jp/article/detail/23299

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