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データ活用の高度化を考える(AD)

目標達成のためには「何のデータ」を「どう使う」? 結果を出すためのデータ活用の基本教えます

 マーケティングの課題は、データを活用するための環境構築から、データの具体的な活用にシフトしています。本連載では「どのデータをどう活用するか」にフォーカスして、高度化するマーケティングについて考えていきたいと思います。1回目は、データ活用の基本となる考え方のポイントをご紹介します。

データ活用二つのポイント

 データマネジメントプラットフォーム(DMP)というワードが流行り始めて数年がたちました。大規模なDMPの構築を含めて、うまくいった会社もあれば、うまくいっていない会社も出てきています。一方、DMPの構築の有無とは別に、多くの企業やマーケターがデータを活用したマーケティングを行っていくという方針を持っています。

 インティメート・マージャーでもDMPをどうやって構築しようかという相談から、データを活用する基本方針は決まっているお客様から具体的にどのデータをどうやって使えばいいのかを相談されるケースが増えてきています。この連載では今日のマーケティングにおいて重要なデータにフォーカスして、どのデータを活用するのか? データをどのように取り扱うべきか? について触れていきたいと思います。

 データを活用する前段階として、まずはデータを活用するために必要な「二つのポイント」を理解する必要があります。

ポイント1:何のためにデータを活用するか

 ポイントの一つ目は「何のためにデータを活用するか」ということです。時々、データを活用すること自体が目標になってしまっているケースもありますが、多くの場合はターゲットの細分化または無駄の削減になっていることが多いです。

 例えば、一つの商品をプロモーションする場合でも、価格について重きを置いたクリエイティブが効果的な層もいれば、機能について重きを置いたクリエイティブが効果的な層もいます。ターゲットを細分化して、各々のターゲットに合わせたクリエイティブを展開することで、自社にとって新たな顧客層の発掘や、効果的なクリエイティブの発見につながります。このようにデータを活用した取り組みで今まで達成できていなかった何の目標を達成するかを決めることが必要です。

ポイント2:どのデータを何に使うか

 二つ目は「目標を達成するためにどのデータを何に使うか」ということです。 例えば、関東地方にある結婚式場のネット広告においてターゲティングの無駄を削減することが目標だとしましょう。現在のターゲットが20代後半から30代の男女だった場合、広告配信のリストから居住エリアが関東地方以外を外したり、既婚者を外したりすることによってターゲティングの効率を上げられるようになります。

 今回のコラムでは目標はすでにあることが前提で「目標を達成するためにどのデータを何に使うか」を決定する方法についてお話させていただきます。

DMPが果たしている二つの役割

 データ活用においてDMPが果たしている役割としては大きく分けると二つの役割があります。一つ目がデータを分析してターゲティング用の塊に変換する役割です。二つ目がターゲティング用の塊をマーケティングツールに連携できるID(例えば、CookieやIDFAなどのID)に変換して様々なツールにデータを送り出す役割です。

 一つ目のデータを分析してターゲティング用の塊に変換する役割を理解するために、まずはマーケティングに活用するデータの種類について見ていきましょう。マーケティングに活用できるデータは大きく次の五つのデータに分けることができ、それぞれ異なったデータソースからデータを収集して定義を行います。

 「サイコグラフィックデータ」
 興味関心に関するデータ。検索データやポータルサイトの閲覧などから収集

 「デモグラフィックデータ」
 年齢や性別に関するデータ。アンケートやネットリサーチのデータ、その他会員情報が保有するサイトなどのデータから収集

 「ジオグラフィックデータ」
 位置に関するデータ。IPアドレスやGPSの情報を利用する。

 「コンテキストデータ」
 状況やタイミングに関するデータ。検索データや比較サイトの閲覧履歴などを収集

 「自社データ」
 自社サイトのアクセスデータや会員のCRMデータ。

 どのデータを使うべきかは、実施するマーケティングプランによって異なります。例えば、潜在顧客を定義してターゲティングを行う場合であれば、デモグラフィックのデータをメインで使う、すでに顕在化されたニーズを持つ顧客を狙うのであれば自社データをメインで使うことが考えられます。マーケティングプランによって異なりますが、いずれの場合も、それぞれのデータを組み合わせて最適なターゲットを見つけることが大切です。

IDによって使えるツールは異なる

 次に、二つ目のマーケティングツールに連携するために必要なIDについてご説明します。選ぶIDによって使えるマーケティングツールが異なります。

 例えば、Cookie情報を活用するのであればアドネットワークやDSPといった広告配信ツールと連携できるようになります。FacebookやTwitterなどのメディアの会員データと紐付けるとメディアの会員に対してターゲティングを行えるようになります。また、住所と紐づくデータを使えばダイレクトメールにデータを活用でき、モバイルの広告用IDを持っていればスマートフォンに対してプッシュ通知を打つことが可能になります。

 実際にデータを活用したマーケティングを行う際には、現在のマーケティング課題を明確にし、それに対してデータとマーケティングツールの最適な組み合わせを見つけていき、課題を解決していくことになります。

データ活用の現在とこれから

 現在のDMPを通じて行われているデータ活用は、自社で保有しているアクセスデータをDSPなどのネット広告のツールに活用している場合がまだまだ多いです。ただ、最近では自社のデータだけではなく、外部のデータを活用してターゲットの階層化させ、検討段階の浅い顧客には情報量の多いマーケティングツールを通じてアプローチし、検討段階が深い顧客には接触頻度を高めて情報を伝えるといったアプローチも可能です。事実、それを実行している企業も出てきています。

 今後はより顧客を詳細に定義することができるデータと、顧客像に合わせるという、より一層データドリブンなマーケティングの重要性が高まってくるでしょう。次回からは、より具体的に「どのデータを使うか」という観点から、データを活用したマーケティングがどのように高度化されていくか、紹介させていただきます。

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この記事の著者

簗島 亮次(ヤナシマ リョウジ)

株式会社インティメート・マージャー代表取締役社長。 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科を2010年首席で卒業。 2013年、Googleのレイ・カーツワイル氏が2020年に起きると予測した「あらゆるデータがひとつに統合される」という革命を冠した株式会社インティメート・マージャーを創業し、2019...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/11/30 13:00 https://markezine.jp/article/detail/23382