キャンペーンの費用対効果を確認できる「クリック」レポート
AdWords連携をしたGoogle アナリティクスレポート画面では、先に解説した「ABCレポート」のほかにも独自のレポート画面があります。以下の図のように指標グループ「クリック」を開くことで閲覧できます。

「クリック」で閲覧できるレポートは、掲載結果だけでなく費用対効果(ROAS)も確認することができます。eコマースサイトの場合はeコマース計測を実装していれば、また、Google アナリティクスの目標設定時に目標値を設定しておけば、コンバージョンの価値(売上や目標値)に基づくROASをこのレポートで見ることができます。この場合も、このようにGoogle アナリティクス側での設定がされていればAdWordsのコンバージョンタグ実装などの手間を省くことができます。
キャンペーン設定の改善に活かす各種レポート
各キャンペーンの効果に関する基本的な単位でのレポートはこれまで解説してきたレポートで確認することができますが、連携によって利用可能な11のレポートの中には、より分析視点でデータを確認しキャンペーンの改善に活用できるものが5つ用意されています。
③ツリーマップ
④入札単価調整
⑥検索語句
⑦時間帯
⑧リンク先URL
ここからは、これらのレポートについて解説していきます。
ツリーマップ:AdWordsアカウントごとに指標値をツリーマップ形式で見るレポート
キャンペーンごとのパフォーマンスを直感的に把握できるツリーマップ形式のレポートです。次図の例のように「セッション数×コンバージョン率」のクロス集計を見たい場合に
- セッション数は面積の大きさ
- コンバージョン率の良し悪しはカラーチャート(図の例では緑色がコンバージョンが高い)
で表現されるので、セッション数も多くコンバージョンも高いキャンペーンはどれか、セッション数は多いがコンバージョンが低いキャンペーンはどれか、などをひと目で直感的に把握することができます。

入札単価調整:AdWordsで行った入札単価調整ごとの計測レポート
キャンペーンの設定で入札単価調整を行っている場合は、その単価調整の設定がそのまま自動的にGoogle アナリティクスにインポートされ、入札単価調整を行った結果のレポートをGoogle アナリティクス側(ABCレポートやクリックレポート)で確認することが可能になります。
検索語句:AdWordsキーワードと一致した検索キーワードごとの計測レポート
「検索語句」とは、広告の表示につながった実際の検索語句のことです。AdWords側のレポートでも「検索語句」レポートがあり確認できます。

Google アナリティクス側のレポートでは「一致した検索語句」「マッチタイプ」に加え「クエリのワード数」ごとの集計も確認することができます。


それぞれの項目ごとにABCレポート形式で、掲載結果だけでなく、直帰率などのサイト内計測とあわせてコンバージョンや収益、または目標値による分析ができるというメリットがあります。
時間帯:連携したAdWordsアカウントの時間・曜日ごとの計測レポート
AdWords側のレポート「キャンペーン>広告のスケジュール」でも曜日と時間帯ごとの掲載レポートを確認し、入札単価調整に活用することができますが、Google アナリティクスの「時間帯」レポートでは折れ線グラフ表示でより見やすくなっています。また、ABCレポート形式でサイト内行動とGoogle アナリティクス側で設定したさまざまなコンバージョン計測値を確認することができます。

リンク先URL:広告のリンク先URLごとの計測レポート
AdWords側のレポートでは、キャンペーン、キーワード、広告ごとの掲載レポートを確認することができますが、リンク先URLごとの集計レポートは用意されていません。Google アナリティクスのレポートではリンク先URL(広告のランディングページ)ごとのABCレポート、ならびにクリックレポートを確認することができます。
広告効果の最適化においてランディングページの最適化は欠かせない課題ですが、AdWords広告からのランディングページの分析にはこのレポートが非常に役立ちます。Google アナリティクスの「行動>ランディングページ」というレポートもありますが、これはオーガニックチャネルも含めた全体の閲覧開始ページが対象となるレポートになります。