苦手なこと
一方、ブログ調査でいつもつきまとう苦手な部分と言えば、属性だ。まず、一般的に企業はブランドイメージを訴求する対象を考える。例えば、訴求する対象はF1層(20歳から34歳の女性)などと決め、そして『F1層独身のOL。仕事から疲れて家に帰った時に飲む健康食品』とシーンを考え、訴求方法を絞る。
しかし、ブログではまずF1層のような種類の属性が難しい。冒頭で述べた通り、「企業が『ブランド』をどのように定義付け、それをどのような手段で訴求するか?」と「消費者が『ブランド』をどのように定義付け、あるいは感じ、企業の訴求にどのように反応しているか?」のマッチングに関する調査がブランド調査とするなら、この属性が取れないブログ調査は、問題となるかもしれない。
クライアントに新しい発想がない場合、「どの属性かわかるのですか?」と聞かれることがある。これに関してはブログ調査とインターネット調査などのアンケートを同時に行うことをお勧めしている。
例えば資生堂TSUBAKIは消費者にとって「豪華な女優陣」というイメージが実際にはどれくらいもたれているのか、エッセンシャルの「カワイイをつくる」というイメージにしずちゃんが貢献したと考えている層は、どの層なのかをアンケートなどで調べると、より深みのある調査となるかもしれない。
これまでのシリーズで何度か言ってきたが、ブログ調査はこれまでとは全く異なる新しい調査方法である。数少ない筆者の経験からだが、ブログを用いた調査から新しい視点でブランドを見直すことで、マーケティングに新しい光を照らすかもしれない。