SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

統括編集長インタビュー

広告は、決して嫌われるものではない 「北欧、暮らしの道具店」×「一番搾り」コラボ成功のカギ


 Facebook、Instagramとも30万以上のフォロワーを擁する人気ECサイト「北欧、暮らしの道具店」。運営するクラシコムは事業開始当初よりコンテンツに注力し、今では編集会議が会社の最上位という徹底ぶりで、コアなファンをつかんで離さない。同サイトで昨年スタートしたのが、記事広告コンテンツ「BRAND NOTE」だ。昨年12月に公開されたキリン「一番搾り」とのコラボレーション事例では、相応数のユーザーに明らかな態度変容が認められたという。

通常の編集方針と同じ考えをタイアップにも適用

押久保:昨年『MarkeZine』で青木さんにお話をうかがった際、2012年に“メディア化”を宣言され、明確な編集方針に沿って仕入れも採用も行っているとおっしゃっていました(参考記事)。「BRAND NOTE」も、その範疇なのでしょうか?(BRAND NOTEのニュースリリース

株式会社クラシコム 代表取締役 青木耕平氏(写真左)キリン株式会社 CSV本部 デジタルマーケティング部 デジタルマーケティング担当 加藤美侑(みゆき)氏(写真右)
株式会社クラシコム 代表取締役 青木耕平氏(写真左)
キリン株式会社 CSV本部 デジタルマーケティング部
デジタルマーケティング担当 加藤美侑(みゆき)氏(写真右)

青木:もちろん、そうですね。メディアとしての成長を考えて、以前からtoB事業も視野に入れていました。ただ、やはり一定のボリュームがないとクライアントの要望を満たせないので、タイアップの引き合いはあったものの着手に至っていませんでした。

 ユーザーを育てることを優先し、月間PVが1,000万を超えて、ボリュームの点にも応えられるかなという社内的な状況が整ったのが去年のタイミングだったんです。

押久保:昨年のうちに、すでに3社の特集が組まれました。いずれも、通常のコンテンツのように御社の視点を通して、ブランドの姿勢がしっかり伝わります。こうした切り口は、どういう経緯で思いついたのですか?

青木:僕らの本業はECサイトなので、売れないと儲からないという制約の中で10年近く「売るためのコンテンツ制作」を続けてきました。見方を変えれば、これってすべて記事広告だったんですね。その機能を、直販ではなく間接的な販売に活かせば、それはつまり企業の記事広告になるだろうと。

 本当に紹介したいと感じる企業の姿勢や商品を、普段の記事と同じように伝えるなら、お客様にとって価値があり、企業にも寄与するコンテンツになる。そう考えて、今のような形になったんです。

中立な立場だから、ブランドのストーリーを伝えられる

押久保:始めてみて、いかがでしたか?

青木:最初の例として、僕らのお客様と親和性が高いと常々思っていた良品計画さんにお声かけしました。ただ、こちらから企画しておきながら、実際トップブランドに対して僕らが何かの役に立つんだろうか……とも思っていました(笑)。

 でも話してみると、トップブランドにはその立場ならではの悩みがあった。ブランディングがうまくいっていて、照明がきれいに当たっているからこそ、それ以外のサイドストーリーを自分たちから伝えにくいという状況があったんです。

 それを引き出してほしいと聞いたとき、テレビ東京の『カンブリア宮殿』を思い出しました。

押久保:作家の村上龍さんの番組ですね。

青木:ええ。村上さんと小池栄子さんが、企業トップからいろいろな話を引き出していく。あれがもし、社長が一方的にしゃべるなら、聞き続けるのは難しいと思うんです。だから、僕らはあんなふうに企業と受け手の間の中立な立場で、ストーリーを伝えたいと思いました。

押久保:なるほど。では、キリンの加藤さんから、今回のタイアップの経緯を教えていただけますか? 

加藤:お声かけしたのは、私からなんです。元々このサイトのことは知っていて、私もはじめはECサイトではなく普通のWebメディアだと思って読んでいました。Webには、新商品発売時などにリーチ目的で出稿することもありますが、今回はエンゲージメントを目的に、エッジの立ったサイトと組みたいと思っていました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
尖ったメディアを介してエンゲージメントを築きたい

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
統括編集長インタビュー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/11/30 16:21 https://markezine.jp/article/detail/23845

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング