各ベンダーとの協業でプラットフォームの確立目指す
MZ:それは興味深いです。コンバージョンしたユーザーへの調査なら、これまでも可能だったかと思いますが、離脱したユーザーにアプローチできるんですね。
岩田:我々は、デモグラフィック情報を保有していませんが、精緻な定量評価を実現しています。一方で、楽天とGMOにはデモグラフィック情報があります。これらを補い合って、コンバージョンしなかった人を含めた分析が可能になるんです。
さらに、Webでは買わなかったが店舗で買った、といったリアルな行動まで把握することもできるでしょう。すると広告の費用対効果の考えも変わってきます。
MZ:なるほど。こうした形で外部ベンダーとつなぎ込んで、プラットフォームとしてオーディエンス軸での分析や効果の向上を図るのですね。
岩田:ええ。効果測定ツールもさまざまな種類がありますが、コンバージョンのデータを蓄積するだけならデータ量もそれほどにはならず、投資も少なくてすむと思います。ですが当社では、コンバージョンだけに限らずWebのトラッキングデータをすべて蓄積しているので、カスタマージャーニーの把握ができ、他社ツールとの親和性も非常に高いのです。
「アドエビスリサーチ」以外にも、すでに複数社との連携の話が進んでいます。実は、テレビのデータを扱うベンダーとの連携も、そのひとつなんです。
オンライン、オフラインをつないだデータ基盤構築を視野に
MZ:テレビですか? それはどういった構図なのでしょうか?
岩田:冒頭で、SEMやDSPなどの顕在層向けマーケティングから、コンテンツマーケティングなど潜在層向けのマーケティングへシフトしているという話をしました。ここで、いちばん潜在層に近い施策に位置づけられるのが、オールターゲットのテレビCMなんです。まず振り向いてもらう段階ですね。デジタルを活用することで、ここを起点にカスタマージャーニーを描くことも可能になっています。
MZ:プラットフォームという言葉にかなう、大きな可能性が広がっていますね。昨年11月の決算発表では、将来像として「マーケティングロボットカンパニー」を目指すという構想が印象的でした。
岩田:企業と顧客とのコミュニケーションを円滑化することが、当社が目指す世界観です。オンラインから始まった当社ですが、今後IoTやAIへ投資し、また各社との協業を進めることで、さらに巨大なオフライン領域もつないでデータ基盤を構築することを視野に入れています。なかなか端的に表すのが難しいですが、これを「マーケティングロボット事業」と位置づけて、中長期的に力を入れていきます。
MZ:今後の発展に、私たちも期待しています。最後に、この記事を読まれた方への特典として、「オーディエンスエビス」のモニター参加について教えていただけますか?
岩田:「オーディエンスエビス」における、オーディエンス1件1件を見られる顧客プロファイル機能は、アドエビスの活用企業には付帯機能として活用いただけるようにします。もうひとつの機能、先ほどお話ししたカスタマージャーニー分析は、モニター企業とともに事例をつくりたいと思っています。ぜひ、ご応募ください。
「カスタマージャーニー分析機能」の詳細・先行モニターのお申込み・お問い合わせはこちら