「ユング心理学の性格タイプ」から考えるターゲットの設定方法
「ユング心理学の性格タイプ」とは、以下を指します。
「心の機能」からなる類型は、合理的(判断)機能と非合理的(要素的)機能の二つにカテゴライズされる。前者はさらに「思考」(区別原理)と「感情」(関係原理)に、後者はさらに「感覚」(現実性)と「直観」(可能性)に分かれるため、合計四種類に分かれる。個人は、その精神活動において、いずれか一つの心的機能を、主要機能として使うため、四種類の心的機能による性格類型が考えられる。
出典:wikipedia「1.ユング心理学の基本概念1.4心的エネルギーの方向性と性格類型より」
指標として、まずはこの「思考タイプ」「感情タイプ」「感覚タイプ」「直感タイプ」の4タイプのターゲットがいると想定してクリエイティブを作成していきます。

思考タイプイメージ

思考タイプとは、物事を常に論理的に理屈でとらえようとします。よく言えば理論派、悪く言えば理屈っぽい人となり、損得など自分のメリット・デメリットに敏感なタイプです。
思考タイプの特徴
- 物事を常に論理的に捉えようとする
 - 原因と結果の因果関係や、損得勘定を重視する
 - 分析や比較をすることで、対象価値を相対的に評価する
 - 女性よりも男性に多くみられる
 
思考タイプへの訴求方法
論理的にベネフィットを説明する。具体的には、
- 商品やサービスの価値に焦点をあてて説得する
 - アイキャッチ~リンク先への誘導まで、起承転結を意識したコミュニケーションが有効
 - プレゼント、インセンティブ、特別割引、限定など、物理的なメリットに反応しやすい
 - メリットを動機づけにしてリンク先へ誘導する
 
思考タイプの誘導STEP
- 問いかけなどで因果関係に興味をもたせる
 - 価値を納得してもらう
 - 具体的なメリットを提示してリンク先へ誘導
 

感情タイプイメージ

感情タイプは、思考タイプと対極にあるタイプです。心に何らかの刺激を受けた時に、その時に感じる感情や気持ちを最優先に考えます。自分が好きか嫌いかという感情だけで判断するため、論理性に欠ける面があり情緒に寄り添った感情に素直なタイプです。
感情タイプの特徴
- 物事を理屈ではなく、主観的な好き嫌いで判断する
 - コミュニケーションにおいて、興味があることに対しては積極的
 - 想像力や共感力に長けている
 - 比較的女性に多く見られるタイプ
 
感情タイプへの訴求方法
シンパシーを醸成する。具体的には、
- 喜怒哀楽の感情をゆさぶる表現によって、何らか共感させる
 - シーズナリティやTPO等に配慮した情緒的なコミュニケーションが有効
 - クイズやゲーム、キャンペーン応募、SNS連動など、参加型コンテンツに反応しやすい
 - 気になる仕掛けを作ってリンク先へと誘導する
 
感情タイプの誘導STEP
- 情緒的な表現によって感情をゆさぶる
 - 共感を引き起こす
 - 気になるしかけによってリンク先に誘導
 

感覚タイプイメージ

感覚タイプの特徴は、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の5感が感じたそのままの情報をストレートに受け取ります。また、情報の受け取りは積極的ですが判断・決断には消極的なところがあります。観察眼に優れ客観性が強いのも特徴です。
感覚タイプの特徴
- 物事を五感で感じた印象のままストレート に受け取る
 - 観察眼に優れ、客観性が強い
 - 自分に対してこだわりが強い
 - 情報の受け取りには積極的だが、判断・決断は消極的
 
感覚タイプへの訴求方法
質・量ともに充分なファクトを提示する。具体的には、
- 様々な角度からの事実を、シンプルに直接的に伝えることがカギ
 - スペックや価格などのセールスポイントを軸にした、ストレートなアプローチが有効
 - リサーチ結果やユーザーボイスなど、客観的な数値・情報に反応しやすい
 - やらなきゃ損、と思わせるくらいの強い決断促進が必要
 
感情タイプの誘導STEP
- 質・量ともに十分な情報を提示する
 - 自分ゴト化してもらう
 - 強いメッセージでリンク先へ誘導
 

直感タイプイメージ

直感タイプはひらめきで本質を把握するタイプで、今、目の前で起きている出来事を通じて全く別のイメージやアイデアがひらめくことに喜びを感じます。ただ、その発想について深く掘り下げたり、分析・調査を加えたりして実現できる様な形に完成させることはしない傾向があります。
直感タイプの特徴
- インスピレーション、いわゆる「ひらめき力」を持つ
 - イマジネーションを膨らませてくれるものに、価値を見出す
 - 目の前の情報から自由に発想し、自由に行動する
 - 常識や固定観念に縛られない
 
直感タイプへの訴求方法
インスピレーションを刺激する。具体的には、
- 商品が与える影響や可能性に言及して、直感を刺激する
 - 直接的な訴求よりも、イメージが膨らむような抽象的・比喩的な表現が有効
 - 実験的なビジュアルやコピーなど、クリエイティブに対する理解力も高い
 - 面白味・クリエイティビティが感じられる誘導が必要
 
直感タイプの誘導STEP
- コピーやビジュアルで想像力を刺激する
 - 可能性を感じてもらう
 - 工夫された誘導アプローチが必要
 

