CEOが振り返る広告事業としてのLINE
3月24日、LINEは事業戦略発表イベント「LINE CONFERENCE 2016」を開催した。同イベントでは、サービス提供開始から5年がたったLINEに関する事業を振り返るとともに、新しい事業、既存事業のアップデートについて語られた。
まず、同社代表取締役社長 CEOである出澤 剛氏が5年間を振り返り、今後のミッションを発表した。現在、LINEの主力事業は、スタンプ、ゲーム、キャラクター、そして広告事業の4つ。中でも2012年より開始した広告事業に関しては、最も事業成長のスピードが早かったという。
「広告事業に置ける売上の3本柱はスポンサードスタンプ、企業公式アカウント、フリーコインのキャンペーンになります。スポンサードスタンプは2,681のスタンプを制作し、企業アカウントは2,685を開設、フリーコインも8,000件以上のキャンペーンを展開してきました。またスモールビジネス、O2O向けのLINE@も広く浸透してきた結果、広告全体の売上から2012年から2015年の間を比較すると64倍の数字を記録しており、主力事業の中では一番の伸長率を見せています」(出澤氏)
そして、出澤氏は次の5年後を見据えたミッションとして「Closing the distance」を発表した。
「このミッションには、世界中の人と人との関係性はもちろん、様々な情報やサービス、モノとの距離を縮めたいという意味が込められています。これまでLINEでは、ユーザー間の関係性をトークやスタンプといった機能で近いものにしました。今後はそれ以外の分野でも距離を縮めたいと考えています」(出澤氏)
ユーザーは便利に、クライアントは集客しやすいアカウントに
では、掲げたミッションに基づき、どういったビジネスが今後展開されていくのか。
まず、同社執行役員 プラットフォーム担当の杉本 謙一氏より語られたのは、「LINEアカウントの機能拡張」についてだ。具体的には、「ショップカード機能」「Coupon book」「コマース機能」の3つの機能が拡張された。
「ショップカード機能」では、これまで存在していたLINE上で来店時にもらえるスタンプを貯める機能に加え、新たに所有している店舗のカードをリストで閲覧可能になった。また、登録していない店舗も閲覧できるため、店舗には新たな顧客接点が生まれ、ユーザーは対応店舗の検索や所持しているスタンプカードの把握が可能になる。
「Coupon book」は各企業のクーポンをLINEアプリ上で一括管理できる。これにより、企業はこれまでの自社アカウントの友達限定に配信していたクーポンのみならず、友達ではないアカウントへのクーポン配布も可能になる。
そして、「コマース機能」はLINE上での商品購入を可能にした。具体的には、LINE@アカウント上で、販売・決済手数料のみでネットショップを持つことができる。これにより、LINE上で直接購買させることができ、LINE@と友達でないと買えない商品を販売するといったことも可能になる。