SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

モバイル時代のCRM

モバイル時代のCRM、攻略するために必要な4つの要素


 EC売上のうち50%以上を占める企業が出てくるなど、顧客関係維持に欠かせないものとなったモバイル。本連載では、メールはもちろんアプリやLINE、ソーシャルメディアなどの顧客接点を各企業がどのようにコントロールしているかをデータ活用、システム設計、PDCAの視点で事例とともにご紹介していきます。第1回となる今回は、モバイルの浸透で変わるCRMの考え方を解説します。

モバイル時代のCRMもメールが主役なのか?

 モバイルファーストが常識となり、スマートフォン(以下、スマホ)で見にくいサイトやフォームを使っている企業はだいぶ減って来たと思います。

 しかしCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)という視点で見た場合はどうでしょう。いまだに購入後に長文のテキストメールが届いたり、毎日のようにメールマガジンが届いたりすることはありませんか。私自身も使わなくなったメールアドレスに未だに大量のメールマガジンが届いています。

 また、メールを開封するよりもLINEやFacebookのタイムラインで気になる情報を見る事の方が明らかに増えました。実際にメールの開封率は10%程度であり10,000人に配信しても9,000人に情報が届かないのが通常です。

 では、メールの施策はもう通用しないのでしょうか。その答えは「NO」です。その理由を私が関わっているECサイトの集客チャネルごとのセッション、売上の割合に関するグラフをもとに解説します。

グラフ1:2016年2月~4月 4つのECサイトの実績をもとにした
集客チャネルごとのセッションと売上の割合

 Eメールはサイト全体のセッションのうち5.7%しか占めていませんが、売上は全体の17%、約5分の1を占めています。つまり、Eメールを開封し訪問してくれるユーザーは優良顧客でCVRが非常に高いのです。ただ、自社アプリが上手くいっていればメール以上の成果が出ますし、LINEやソーシャルメディア(以下、SNS)の貢献度が高まっているのも事実です。

 ここからわかるのはモバイルの登場によって、EメールのみならずLINEやアプリ、ソーシャルメディアなどの集客チャネルを複合的に活用しCRMを推進しているということです。

モバイルの登場で顧客は変わった

 本連載では、先述のCRMの現状を踏まえ、「モバイル時代のCRM」について考えたいと思います。また、ここでのCRMは顧客情報などのデータを活用し、顧客の状況や志向に合わせたコミュニケーションを取ることで、LTV(顧客生涯価値)を上げる取り組みと定義しています。

 まず、モバイル時代の顧客はこれまでと何が違うのか考えてみましょう。モバイル端末、特にスマホの活用状況に関しては、すでに多くの調査がされているため詳細は省きますが、重要なポイントは以下になると私は思っています。

1.モバイルの利用時間がPCを抜いた

2.モバイルの利用のほとんどはアプリ利用

3.利用されているアプリはLINEやSNSが中心

4.モバイルは移動中や就寝前、食事中、TVの視聴中など、ながら利用が多い

 モバイルは人の時間の使い方を大きく変え、LINEやSNSは情報の取り方や伝達方法を変化させました。もはやモバイルは電話やインターネット、ゲーム、音楽といった機能面での代替え品にとどまらず、新たな生活スタイルを生み出しているといえるでしょう。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
各メディアを理解する事から始めよう

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
モバイル時代のCRM連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伴 大二郎(バン ダイジロウ)

株式会社ヤプリ エグゼクティブスペシャリスト/株式会社顧客時間 プロジェクトマネージャー小売業界においてCRMの重要性に着目。一貫してデータ活用の戦略立案やサービス開発に従事した後、2011年にオプト入社。 マーケティングコンサルタントを経て、 2015年よりマーケティング事業部部長として事業拡大...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/06/14 11:33 https://markezine.jp/article/detail/24460

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング