各メディアを理解する事から始めよう
では、モバイルがある生活が通常となった今、顧客とどのように接点を持つべきなのでしょうか。ここからは先ほどの例を基に考察します。
下記のグラフは、先ほどのグラフにCVR(※平均を1%に置換)を加えたものです。

集客チャネルごとのセッション、売上、CVR
グラフを見ると、EメールのCVRは高く平均の3倍あることがわかります。一方でLINEやアプリはCVRが低いものの、多くのユーザーを集めているメディアといえます。
なお、私が関わっているECでは比較的大規模でアプリに力を入れている所が多く、このような結果になりました。しかし、SNSに力を入れている企業ではLINEやアプリと同じ状況になりますし、アプリのポジションもアプリ内のコンテンツによって変化します。
重要なのはこれらを比較してどのチャネルが良いか選ぶのではなく、この状況を理解した上で、それぞれの集客チャネルの効果を最大化する必要があります。
各集客チャネルがもたらす効果とは
次に、簡単に集客チャネルの特徴を考えてみましょう。まず、メールですが、開封率は低いものの、CVRが非常に高いという特徴を持っています。興味のない企業や内容のメールは見なくなるため、優良なユーザーが残るのです。
続いて、昨今活用する企業が増えているアプリに関しては、インストール数が増えると非常に有効な施策になります。さらに情報発信のみならずECへの誘導、CRMを目的にプッシュ通知の送信といった多様な活用方法が考えられます。ただし、アクティブ率維持やアンインストール防止への対応も必要になるため、サイト以上にメンテナンスの手間がかかるというデメリットを抱えています。
先ほどのグラフ2で、アプリのCVRが低い位置にあったのは、情報取得目的で遷移してくるユーザーが多いためです。また今回の例に挙げた企業は、実店舗が多く、実際の購買は店舗で行われている可能性があると考えられます。
最後にメールに代替する連絡手段になりつつあるLINEですが、多くの会員にリーチでき、メッセージからクリックしないと詳細が分からないケースが多いのでセッションが集まりやすい一方、CVRが低いのが特徴です。
また、LINEやSNSはユーザーのタイムライン上に情報を差し込めるため、日々の生活の中でユーザーが関心事(友人やニュース、企業情報)を見ている時に自然に接触することができます。