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COLUMN

パルコ島袋氏はキリンへ。東急ハンズ緒方氏はニートに!?デジタルマーケターの新天地にかける想い

 この春、小売業界のデジタルマーケティング、オムニチャネル施策をけん引してきたトップランナーが新たな可能性を求めて旅立った。元・パルコの島袋孝一氏と元・東急ハンズの緒方恵氏だ。二人に新天地にかける想いを聞いた。

 元・パルコの島袋孝一氏と、元・東急ハンズの緒方恵氏。二人とも小売業界のデジタルマーケティング施策、オムニチャネル化をけん引してきたトップランナーだ。まずは二人の略歴を紹介する。

島袋 孝一(しまぶくろ こういち)

 2004年、株式会社パルコに新卒で入社。テナント管理、リーシング(出店交渉)業務に従事。本部での店舗オペレーション支援部門、経営企画室を経て、WEBコミュニケーション部にてWEB・SNSを通じた顧客コミュニケーション、店舗トリプルメディアの運用支援や、O2Oマーケティング、オムニチャネル化への導入・実践を行う。

 2015年より組織再編に伴い、宣伝セクションに異動、前述業務に加え、全社宣伝費の予実管理を担当。

 2016年3月にパルコを退社し、同5月にキリン株式会社に入社。キリングループの横断的デジタルマーケティングの専門セクションであるデジタルマーケティング部に所属。

緒方 恵(おがた けい)

 2005年、株式会社東急ハンズに新卒で入社。家電・照明のバイヤーを担当後、渋谷店のリニューアルに伴い、東急ハンズ初のモバイルアクセサリー売り場構築、ヴィジュアルマーチャンダイジングを手掛ける。

 2010年、本社の通販事業部に異動し、ネットストアの運営を担当。SNSアカウントの開設・運用、SEO対策、Web広告運用、DSP広告用ガジェット開発、ネットストア商品を店舗で受け取ることができるサービスの開発などを行う。東急ハンズのオムニチャネル化を推進し、社内必要組織の集約とともに、要の施策としてスマートフォンアプリの開発・運用を行う。

 2016年5月末、東急ハンズ退社。

 二人は30代中盤と年齢も近い。そして、この春、ともに長年勤めた会社を離れることを決意した。それはなぜか。そして、どこへ向かおうとしているのか。これまでのことと、これからのことを聞いた。

島袋孝一氏(左)と緒方 恵氏(右)
島袋孝一氏(左)と緒方 恵氏(右)

気になる退職の「動機」

――いきなりですが、退職の理由はなんだったのでしょうか。

島袋:それまで辞めるつもりはまったくなかったのですが、2月にあった人事異動の内示がきっかけになりました。異動先は、店舗でのプロモーション施策の実行部隊でした。会社は広範囲の仕事をこなせるジェネラリストを求めているんだろうなぁ、と。ただ、僕としてはデジタルマーケティング領域で適正を見出せていましたし、その道をもっと追求していきたかった。転勤の異動がどうしても嫌というわけではなく、30代中盤のこの時期に寄り道をしている余裕はないと考えての転職です。会社が嫌い、人間関係がよくない、待遇に不満があるなどのネガティブな理由は一切ありませんでした。

緒方:僕もシマさん(島袋氏のこと)と状況はかなり似ています。3月末に頂戴した店舗の管理部門への人事異動の内示がきっかけです。シマさん同様ネガティブな理由は一切なく、会社にも人事にも感謝しかありませんが、年齢とキャリアプランを考えて、というものですね。

島袋:去年、本間さん・奥谷さんという著名マーケターの転職が話題になったじゃないですか(※)。あのニュースに影響受けた部分もありますね。お二人ほど凄いことをしてきたわけじゃないけど、「あれだけキャリアと実績のある人でも、さらに挑戦し続けるんだ。その機会が外にはまだまだ広がっていんだ」って。自分が今までやってきたことが、本当に外でも通用するのか腕試ししたいという気持ちもありましたね。緒方君はあのニュース見て、感化されなかった?

緒方:うーん、驚きはしたけど、影響という観点だとそもそも僕の上司だった長谷川(秀樹)さんもアクセンチュアから東急ハンズに転職されてきていて、そういうキャリアパスがあるということは間近に見ていたというのもあるので、そちらの方が大きいかな。

 長谷川さんからは、自分の市場価値を知るためにも、転職活動を定期的に行ってみること自体はずっと勧められたりはしていたんですよね。これは僕に限らず、長谷川さんはメンバー全員に言っていた。常に自分の市場価値を知っておけと。

 それと、シマさんは「腕試し」って言っているけど、僕はもうちょっと弱気で「答え合わせ」というのが近いかな。自分がハンズで取り組んできた物事への考え方が、他社・他業種でも使える正しいものなのかという意味で。

元・花王デジタルマーケティングセンターデジタルトレード室長の本間充氏と元・良品計画WEB事業部部長の奥谷孝司氏は、2015年10月にそれぞれアビームコンサルティング、オイシックスへと籍を移した。

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/06 10:00 https://markezine.jp/article/detail/24495

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