「日本の広告費」をさらに詳細に把握しよう
今回は、「インターネット広告市場規模推計調査」についてご紹介します(プレスリリースも公開しています。詳しくはこちらを御覧ください)D2Cではこれまでも定期的に「スマートフォン広告市場規模推計」を実施してきましたが、今回はPC広告も含めたインターネット広告全体を対象としています。
インターネット広告の市場規模推計としては、毎年2月に発表される電通「日本の広告費」において、「インターネット広告費」、「インターネット広告媒体費」、「インターネット広告制作費」、「運用型広告費」の数字が公表されています。しかしながら2012年以降デバイス別の数字は公表されていません。
電通「日本の広告費」におけるインターネット広告媒体費を、独自に実施した調査の数字を元に分解し、より詳細に把握しようというのが今回の試みです。調査・推計はサイバー・コミュニケーションズ社の協力のもと、媒体社へヒアリング調査をした結果が主なデータソースとなっています。
2015年のスマートフォン広告市場規模は4,979億円
2015年のスマートフォン広告市場規模は4,979億円と推計されました。前年比144%と引き続き高い成長を続けており、ついにインターネット広告媒体費(9,194億円)の過半(54%)を占める結果となりました。
では、スマートフォン広告市場のポジションは今どこにあるのでしょうか?他の広告(マスコミ4媒体)と比較することで確認したいと思います。
下図は、電通「2015年日本の広告費」におけるマスコミ4媒体の広告費と今回独自に推計したスマートフォン広告、PC広告の市場規模とを並べたものです。
スマートフォン広告の市場規模は、最も大きい地上波テレビ広告の3割弱。新聞広告にはわずかに及びませんが、雑誌広告に対しては2倍、ラジオ広告の4倍弱といった規模感と捉えられます。
では、成長性はどうでしょうか? 同様に前年比についても比較しました。
マスコミ4媒体は、前年比102%の衛星メディア関連広告費以外は前年より微減しています。一方でスマートフォン広告費の成長率は前年比144%と、突出していることがわかります。反対にPC広告費は他の媒体よりも大きく縮小しているため、次の2点を改めて確認できました。
- PC広告からスマートフォン広告へ広告費がシフトしている
- スマートフォン広告の伸びがインターネット広告全体の伸びをけん引している
この連載は?
本連載はマーケティングにおけるデジタル活用情報を伝えるウェブメディア、「D2Cスマイル」の記事を、MarkeZine向けに再編集した出張版です。出典元はこちらです。