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拡大する動画広告市場で成果を上げるには? カギは「透明性の追求」と「主体的な運用」

Test&Learnを重ねて自社に知見を貯めていく

MZ:海外では広告主企業の透明性への意識が高く、主体的な運用もすでに主流になっているのですか?

近藤:ええ。実際に当社がお手伝いしている海外のケースでは、指標選びや運用を相談しながら成果を上げており、それらを日本企業にもケーススタディーとしてフィードバックしています。米国は特に、“Test&Learn”の考えが根付いていますね。

 これは多くの方がいわれていますが、データドリブンがいくら大事でも、データから分かるのはあくまで過去と現在であって、将来を100%示唆してはくれません。デバイスの違いによる効果の差や、FacebookのようなSNSのインフィード広告とYouTubeに代表されるプレロール広告の効果の差を把握しながら、最適化することが重要です。

 また、コスト効率を高めるにも、高速でPDCAを回していくことが有効です。TubeMogul含めて入札型のDSPでは、Test&Learnは効果、効率の両面を向上させる上で必要になります。

MZ:マーケターが仮説を持って主体的に進めることが大事なんですね。効果指標の話が挙がりましたが、動画広告ならではの効果をどう捉えていらっしゃいますか?

近藤:従来のバナー広告に比べて、明らかに影響の度合いが高いと思います。当社のクライアントが、ブランディング目的で出稿する広告主が多いからという理由もありますが、CTR(クリック率)ひとつとっても、平均して言われる数値の10倍以上ですね。単なるクリックというより、やはり認知され関心を引いたというコミュニケーション上の影響はCTRと相関するので、注目すべき点です。

ダイレクト系の広告主も動画広告へ、LTVに注目

MZ:ということは、ブランディング目的だと、やはり動画広告の意義としては認知や態度変容が大きいのですね。

近藤:そうですね。特にTVCMを出稿してきたようなナショナルクライアントだと、特に若い世代に対してTVの影響力が弱くなっていることを補完するために、動画広告を取り入れる傾向が目立ちます。いわゆる、リーチの補完ですね。

 一方で、TVでもネットでも触れるという重複接触の効果も確認されています。

MZ:では、逆に従来からバナー広告でコンバージョンを獲得していたダイレクトレスポンス系の広告主は、動画広告をどうみているのでしょうか?

近藤:CPAを重視してきたダイレクトレスポンス系の広告主からも、動画広告の問い合わせを多くいただき、実践が進んでいます。クリエイティブや配信メディアなど、アプローチは違ってきますが、ブランディング目的と同様に、コミュニケーション上の高い効果が出ています。

 いわゆる刈り取り目的だと、遅かれ早かれいずれ頭打ちになります。なので、ニーズが顕在化した層へ検索連動型広告でプッシュしつつ、潜在層の発掘や休眠層の掘り起こしに、動画広告でシーンを思い浮かべてもらうような訴求がなされていますね。

 ダイレクト系の広告主は、早くからデータドリブンを主体的に進めているので、むしろ短期のコンバージョンだけでなくLTVを重視したり、ポストインプレッションに何が起きたかをしっかり分析しようとする取り組みも始まっています。それが可能な人材が広告主側にいることも大きいです。

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出稿後のリサーチを通してエモーショナルな効果を把握

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/07/07 10:00 https://markezine.jp/article/detail/24684

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