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スゴイ才能を発掘したよ。ネット界★スーパークリエイター列伝

YouTube&ニコ動で1000000回再生!耳コピ演奏の達人「スタインウェイの人」松澤健さんインタビュー


ブレイクのきっかけは?

――発車メロディ動画がブレイクしたきっかけは何ですか?

 最初はいつの間にか2ちゃんねるの鉄道関係の掲示板で紹介されてたようで、2日間で動画の再生数が1000回を超えました。それだけでも十分驚いたのですが、その後にニコニコ動画に転載されて、1週間であっという間に10万回以上再生されました。

 全盛期はニコニコ動画で毎分20個くらいのコメントの書き込みがあって、何が起きているのか分からなくて、ずっとパソコンの前に張りついてました(笑)。

――毎分20個ですか!津波のようなコメントを見てどう思いましたか?

 不思議な気持ちですね。あれこれ自分の動画だよな?みたいな(笑)。遊びでアップしたので、反響の大きさに驚きました。

――ネット上では「スタインウェイの人」と呼ばれているそうですが、なぜそう呼ばれているのですか?

 動画で使っているピアノが、スタインウェイという会社が作ったピアノだからというだけですかね。

――なるほど。続いて冒頭のライブの動画についてうかがいますが、どのようなライブだったのですか?

 僕は早稲田大学ショパンの会というピアノサークルに参加しているのですが、あのライブは早稲田大学の学園祭での、サークルとしてのライブです。発車メロディは一度も人前で弾いたことがなかったので、良い機会だと思って演奏しました。

――実際にライブをしてみていかがでしたか?

 有名曲が出るとお客さんが沸いてくれて、反応がダイレクトに伝わってきて気持ち良かったですね。お客さんもどんどん増えて、100人以上来て下さったようで嬉しかったです。

――約10分間のメドレーを全部覚えているのがすごいですよね。相当練習しましたか?

 練習はそれほどしてないですね。自分の頭の中に曲のストックが何十曲とあって、それを並べただけなので、何も考えずに弾けます。

――え~、そうなんですか。メドレーの曲順に意味はあるのですか?

 基本的に路線図に沿ったりはしています。あとは退屈しないように、有名な曲とマイナーな曲が固まらないように気を付けています。ちなみに最後の曲が高田馬場のアトムなのは、高田馬場にある早稲田大学ショパンの会へのオマージュなんです(笑)。

――ニコニコ動画ではお客さんのリアクションも話題になっていますね。ノリのいいパーカーの人とか(笑)。

 パーカーの人は演奏が終わった後に話かけて下さったのですが、僕も目当ての一つとして来て頂いたようです。まさかその後動画で話題にされるとは思わなかったでしょうけど(笑)。

――ははは。あと気になったのですが、最後の子どもは何を渡しにきたのですか?

 ピアノ柄のボールペンと手紙です。実はあのお子さんの母親から、「息子は今まであまりピアノを弾いていなかったけど、発車メロディの動画を見てからは、毎日のように夢中でピアノに向かうようになりました。一家揃ってファンです」というメールを頂いて、親子でライブに来て下さったんですよ。息子さんからも「お兄さんのようになりたい!」と熱烈なラブコールをもらって、すごく嬉しかったですね。

――やはり見ている方からの反応があると嬉しいですよね。ところで、発車メロディの動画がウケた理由は何だと思いますか?

 一番の理由は、「究極のあるある系」だからだと思います。発車メロディって、誰も注目はしないけど、毎日数十万人が聞いている知名度だけはやたらある曲なので、「あぁ、この曲聞いたことあるある」という反応がヒットにつながったと思います。

 あとはニコニコ動画のコメントの影響も大きいですね。誰かがご丁寧に、曲が使われている駅の解説までしてくれていますから(笑)。ニコニコ動画がなかったら、ここまで盛り上がらなかったと思います。

――なるほど。発車メロディのメディア化の話はあるのですか?

 ポニーキャニオンから、発車メロディメドレーのネット配信販売が始まりました。自分の名前がアーティストとして登録されていたので、何だかすごいことになったなと思いました(笑)。あとは楽譜の出版を予定しています。

――遊びで公開した動画がここまで広がるとはすごいですね。何でもお父様も本を出されているとお聞きしましたが?

  実は僕の父親は松澤喜好(まつざわきよし)というのですが、『英語耳』という英語の本を出していて、それが30万部を超えるヒットになっているようです。

――親子そろってクリエイターなのですね。

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「ピアノは最高のおもちゃ」

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この記事の著者

武田 タケ(タケダ タケ)

ライター、社食探検隊、ネット研究家。CAREERzine「社食探検隊が行く!」、Markezine「スゴイ才能を発掘したよ。ネット界★スーパークリエイター列伝」連載中。編著書に『彼氏彼女に言われた悲しいセリフ』(扶桑社)。個人ブログ「面白いサイトを見つけたよ。」「恋の悲しいセリフ」管理人。  メールはこちらまで。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/05/20 12:17 https://markezine.jp/article/detail/2480

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