情報収集を目的とする人々の「行動を喚起する」鍵はシンプルさ
キャンペーンを盛り上げるための細かな調整が行われた同施策。特に意識した点は、ターゲット層の視点に立って、仕組みをとことんシンプルにしたことだ。というのも、30代以上のTwitter利用者は、積極的なツイートは行わないが、常に様々な企業アカウントをウォッチして情報収集している傾向がある。
「そのため、一番シンプルなアクションでなければターゲットユーザーは動いてくれないと考えました。ヨーグルスタンド独特のとろみ感やナタデココなど、製品特徴で伝えたいことは沢山ありましたし、利用者にツイートを促すものも考えたのですが、利用傾向を知ってやめました。動画を見てリツイートするだけ。しかもすぐ返信が来る。シンプルにこだわる中で、最終的にこの形にたどり着きました。しかもその動画も15秒や30秒のCMを使うのではなく、集中力をキープできる8秒ほどにとどめています。さらに内容もスロットのように、当たるかどうか最後まで分からないゲーム性の高いものにしました。シンプルながらワクワクできるので、また挑戦したいと思っていただけたのではないでしょうか」(越智氏)
おさえておきたい、施策成功のポイントとは?
同施策の成功のポイントは何か。加藤氏に聞いたところ、次の4点があげられた。
- インスタントウィンを使った
- 参加回数のハードルを下げた
- 利用者をインフルエンサー化させた
- CMと同じ世界観で、専用の動画を制作した
「繰り返しになりますが、スピーディーな仕組みは利用者の方々を引きつけます。また、毎日参加できる点が楽しさを創出し、リピート促進にもなります。しかも、何回もリツイートするということは、その利用者のフォロワーにも、何度もヨーグルスタンドのメッセージが届くということです」(加藤氏)
例えば、キャンペーンに参加した方のフォロワーが100人いれば、毎日100人に情報が届く。しかも、そのフォロワーも刺激されてキャンペーンに参加するケースも少なくない。その結果、延べのインプレッションが膨大に増え、多くのTwitter利用者を巻きこんだマーケティングが可能となる。
さらに、キャンペーン用に制作した動画は、テレビCMと同一のキャストで収録することで、ヨーグルスタンドの世界観を統一した。これにより、他のチャネルで製品に触れた際に、想起やエンゲージの率が上がると考えたという。「実際に、動画については既存よりも専用のものをつくったほうが、効果が高いことが分かっています」(加藤氏)
デジタル施策においてもフロントランナーに立ち続ける
最後に越智氏と加藤氏に、今後の展望を聞いた。越智氏は「Twitterは話題化させることに強いプラットフォーム。今後も新製品ローンチやリニューアルのタイミングで、世界中の事例を参考にしながら様々なチャレンジをしていきたいですね」と、Twitter活用にも意欲を見せる。
「コカ・コーラさんは、常にフロントランナーであるべきとおっしゃっています。ぜひ、海外の方の参考になるような事例を、日本から発信できるようサポートさせていただければと思います」と加藤氏。次に日本コカ・コーラとTwitterが踏み出すチャレンジはどのようなものか。これからの展開も楽しみだ。