動画施策に注力した3社体制で、スピーディーな運用へ
普段の運用については、主にターゲットとクリエイティブの監修をサイバード側が行い、実際の細かな運用やキャンペーン設計、見直しなどをグリーアドバタイジング側が行っている。さらに、Twitterからは随時、新手法や他社の取り組み等の情報を吸収し、取り組みにも反映させているという。
「グリーアドバタイジングさんから、ターゲットのご提案をいただくこともありますが、当社からもここを狙いたいというリクエストを出して、ハンドルを探していただいています。クリエイティブも同様。相互にかなり密なコミュニケーションを取りながら運用しています」(周藤氏)
「先程申し上げたとおり、当社はTwitterのモバイルアプリプロモーションを重視しており、そのための社内体制にも注力しています。メンバー間の知識共有はもちろん、各自が案件で裁量をもって運用することで、最大限のパフォーマンス出せるようにしています。中でも、特に力を入れているのが動画広告です。制作チームを特別に設置して、様々な動画メディアを横断して分析し、Twitter広告のクリエイティブの最適化を進めています」(二又氏)
ROASは静止画に比べて200%以上、動画の持つポテンシャル
MAP施策の中でサイバードが特に注力しているのが動画だ。その理由は、静止画に比べて圧倒的に多い情報を伝えられる点にあるという。
「情報量が多ければ、それだけアプリの魅力を伝えられます。さらに、動画を見て面白そうだと思ってくださる方々なので、アプリをダウンロードするだけでなく、ちゃんと遊んでくれる。クリエイティブ経由のCVRに関して、静止画より動画の方が平均で200%高く、もともとCVRが高かったものでも160%向上する例も出ています。また、ROASは静止画に比べて200%~300%も向上した例もあり、サイバード様の広告に限らず、非常に良質な利用者を運んでくれていると言えます」(二又氏)
Twitterで読み飛ばされない動画クリエイティブの要素とは
動画は静止画と違って再生に時間がかかる。スピーディーにスクロールされがちなTwitterにおいて、見られずに飛ばされる可能性はないのだろうか。
「確かに、CTRが上がりにくいからMAPで動画はやめておこう、と考えるクライアント様もいらっしゃいます。ですが、それはちょっとした工夫で改善が可能です。その点は運用面でカバーしています」(鈴木氏)
例えば、「イケメン」シリーズの場合なら、具体的なゲームのシナリオや、イチオシのゲーム画面やスチール、また、実際にどんな操作をするかわかる画面などの情報を出す順を工夫している。
「動画は15~30秒と長いので、一瞬のスクロールで流されてしまう可能性があります。そこで、最初から最後までお客様の興味を引くおもしろい展開を模索しています」と周藤氏。実際に効果があったケースをいくつか教えてもらった。
キャラクター→ゲーム画面の展開で惹きつける
冒頭でキャラクターのイラストを登場させ、興味を惹き付けてからゲーム画面を流す展開がベストだという。反対にイラストだけだったり、ゲーム画面を最初に見せたりする動画での反応は芳しくないそうだ。
動画の再生スピードは通常の約2倍
動画のスピードは目で見て理解できるギリギリの速さに設定しているという。同社が利用している動画は通常のPVとしても利用できるように、60秒程度の尺で制作している。その再生スピードを約2倍にして配信することで、情報量が多くともTwitterでの視聴に耐えられるようにしているのだ。
サムネイルは必ず目を惹く画像を入れる。
動画は画面をタップしてから再生されるまでに若干のタイムラグが発生する。その一瞬の間にスクロールされないように、サムネイルにはTwitter利用者の目を惹きつける画像を用意しているという。
動画クリエイティブの改善は、手元にあるアセットをどれだけブラッシュアップするかを念頭に置いている。
「動画は1本作るだけでも大変ですし、検証後に新しいものを作成しようとしても時間が必要です。ですから、“倍速で再生したら、効果が変わるのでは?”“今度はそれを組み合わせてみてはどうか”“このコマの順番を変えてみたらどうなる?”など、スピーディーに対応できるものを探しています」と周藤氏。クリエイティブの入れ替えは、早いものであれば隔週で行っているという。