ASOのプロにノウハウを聞いてきました
アプリビジネスにおけるデータ活用について、実践的な内容をお届けしていく本連載。第2回はASO対策についてです。ASOという単語をご存知ない方もいるでしょう。似た言葉として、検索エンジンの順位を上げるSEOがありますが、ASOはSEOのアプリ版だと簡易的にお考え下さい。
ASOは各種広告と異なり、短期的なインパクトはありませんが、継続的なダウンロード促進につながる大切な施策です。餅は餅屋ということで、今回はASOコンサルティングを提供しているスターガレージのCMO杉山 拓也さんにASOを行う際の対象項目や見るべき効果指標について伺いました。
スターガレージ:ASOコンサルティング黎明期の2012年からサービスを開始。200アプリ超のASOを手掛ける国内実績最多のASOコンサルティングサービス「AppSEO」をはじめ、プッシュ通知最適化と分析を行う「G2M」を提供しています。検索順位上昇やデイリーダウンロード数の増加の面に強みを持っています。
ASO対策をすれば、毎日安定的にダウンロードをしてもらえる
滝澤:なぜASOが重要なのでしょうか?
杉山:第一回の記事で触れている通り、現在iOS App Store、Google Playのアプリ数は増加の一途をたどっています。こうした中で「いかにユーザーにアプリをみつけてもらうか」が重要になっています。過去にはApp Storeでいかにカテゴリランキング上位に掲載されいるかが重要視されてきましたが、現在のApp Storeのユーザーインターフェースを見ても、検索がユーザーとのエンゲージメントの中心になっている状態です。
滝澤:ASOにはどのような効果を期待できるのでしょうか?
杉山:ASO施策の実施前後を比較すると、カテゴリランキングの変動の仕方に変化が見られます。カテゴリランキングは、デイリーダウンロード数と密接に関わっている項目です。下のグラフにある通り、ASO実施前と比較すると、明らかにASO後の方が“ASO以前よりも常にランキングが高い状態で推移”していることがわかります。
これは、ASOによって「毎日継続的かつ安定的にダウンロードが増加した」要因が大きいといえます。毎日ダウンロード数が50ずつ増加すれば、月間で1500ダウンロード、半年で9000ダウンロード、1年間では1万8000ダウンロードが黙っていても入ってくることになります。
特に重要なのは、この“黙っていてもダウンロードが入り続ける”ことです。アプリマーケターは日々、ダウンロード数増加、アクティブユーザー増加、離脱防止、継続率上昇などの課題に追われ、常に新たなマーケティング手段を探し求めている状態です。多忙な中で、ダウンロードが“安定的かつ継続的”に入ってくることは大きな助けになるはずです。