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マーケターのためのアプリデータ活用入門

アプリを“安定的かつ継続的なダウンロード”させるASO対策、一番最初に見るべき指標とは?

サジェストベースのASOが効果的

滝澤:ASO対策に関わる項目としてどのようなものがあるのでしょうか?

杉山:ASO、とりわけテキストASOに関しては各プラットフォームで対象が異なります。iOSの場合はアプリ名とキーワード、Androidの場合はアプリ名と簡単な説明文、および詳細な説明文が対象です。

 各項目の最適化についてスターガレージでは、サジェストベースのASOをご提案しています。サジェストとは、App StoreやGoogle Playで検索した時に出てくる検索候補です。なぜ、サジェストベースが良いかというと、サジェストは検索数および検索からのダウンロード数の順に並んでいることが当社の調査で分かっています。つまり、頻繁に検索とダウンロードされている文字列がサジェストなのです。

 試しにApp Storeで「写真」というキーワードを検索してみると、サジェストでは上から3番目に「写真」が表示されます。1位は「写真加工」です。これは、「写真」で検索してアプリをダウンロードしたユーザーよりも「写真加工」でより細かく検索してアプリをダウンロードしたユーザーの方が多い事を示しています。

 このように、まずベースとなるキーワードを選定したあとに、必ず「どんなサジェストが出てくるのか」をチェックしてください。前述の「写真」であれば、キーワードに「写真」を設定するだけでは不十分で「写真」「加工」と設定したほうがダウンロードへの貢献が大きいといえます。

 また、これまでのASOではApp StoreとGoogle Playともに検索ボリュームが見られなかったのですが、御社の「Marketing Intelligence」といったツールが出てきて、アプリストア内での各キーワードの検索ボリュームと、そのキーワードで上位をとる難易度を知ることができるようになりました。こういったデータも合わせてみることで、より効率のよいキーワード選定ができるようになると考えています。

最初の効果指標は「検索結果のランキング」

滝澤:ASOの効果を見る上で重要な指標は何ですか?

杉山:ASOにおける効果測定はまず、検索結果でのランキングを見ることです。各検索ワードに対して自社および競合アプリの順位を比較して、ランキングが上っていないならば、改めてキーワード調査からやり直す必要があるかもしれません。

 ランキングが順調に上がってきた場合、次に見るべきは、「アプリページ閲覧数」と「インストール数」です。ASOを実施して最初に上昇するのが「アプリページ閲覧数」。下の図のように適切なキーワードを設定することで、アプリストア内検索からアプリページへの流入が増加します。その結果、インストールが増加する、という流れです。

 ですが、ここでアプリページのコンバージョン率が低い場合、ページビューは増えてもダウンロードが大して増えないという状態になることもあります。そこで次に行う施策は、コンバージョン率の向上に効くもの、具体的にはスクリーンショットの最適化とレビューの改善の2つがあげられます。

 アプリページに来たユーザーにインストールを促すような、スクリーンショットを用意することが重要です。どういった機能やメリットがあるのか、ひと目で分かるようになっているかをチェックします。

 また、レビューの内容がネガティブだったり、評価の点数が低かったりすると、人はインストールをためらいます。また、レビューが全くないことも問題です。全くレビューが無いアプリは信頼しにくいからです。この場合は、既にインストールしてくれた人に、レビューの提出を促しましょう。これらの施策の結果も、無料のツールを使って計測します。

 このように、施策に対して段階的にKPIを測定していくことで、PDCAを回す事が可能になるのです。

滝澤:ありがとうございました。SEOと同様、完全な正解はありませんが、ご説明いただいたデータを可能な限り集めて、データに基づいた改善をしてくことでASOの成功確率はあがると思います。継続的なダウンロードを低コストで獲得することも可能な施策ですので、アプリ運営を担当しているかたは、是非トライしていただきたいですね。

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この記事の著者

滝澤 琢人(タキザワ タクト)

 App Annie 日本代表ディレクター
 1996年に自ら起業し、ウェブプロダクション、データセンター、EC、 オンラインゲームの運営、パブリッシング事業など、B2B、B2C、IT・ デジタルメディア分野で 様々なレイヤーの事業創出を17年間経験。2014年3月より日本の新規営業・ 事業開発担当としてApp An...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/12/01 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25381

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