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MarkeZine Day 2016 Autumn レポート(AD)

人工知能で変わるクリエイティブ 博報堂アイ・スタジオが目指す人対ブランドのコミュニケーションとは

ディープラーニングがもたらす新たな可能性

 このように、人工知能に対する博報堂アイ・スタジオのスタンスを説明してくれた北島氏。続いて現在の第3次ブームについて、「コンピュータ処理能力が飛躍的に向上し、以前は不可能だったディープラーニングなどのアプローチが実用化したことで、新たなブームを呼んでいる」と分析した。

 北島氏はディープラーニングの可能性を示す例として、Googleが実施した猫の画像に関する実験を紹介。100億個の巨大なニューラルネットワークを用い、1,000台のコンピュータを丸3日間走らせて1,000万枚の画像を人工知能に解析させた。そうして機械学習させた結果、人間がその特徴を教えなくても、人工知能自身が「猫の特徴とはこのようなもの」という概念を理解できるようになった。

 「これまでは人間が法則を与えていたのに、我々の知らない法則をコンピュータが自ら発見するようになりました。ものすごく大きなブレイクスルーです」(北島氏)

クリエイティブと親和性の高い人工知能

 こうした人工知能関連の技術は、クリエイティブ分野でも成果を出しつつあるという。

参考:https://www.nextrembrandt.com/

 レンブラント美術館の協力の下でマイクロソフトが作った「ザ・ネクスト・レンブラント」という作品がある。誰が見てもレンブラントの作品に見える絵だが、実はレンブラントが描いた作品ではない。レンブラントの全作品の画像を取り込み、絵の具の凸凹具合までをデータ化して機械学習させた結果、コンピュータ自身が「レンブラントならこういう絵を描くだろう」と導き出した絵画だ。

 この事例に対し北島氏は、ディープラーニングのような最近の人工知能の技術が持つクリエイティブとの親和性の高さを指摘した。

 「コンピュータがデータの中から自分で概念を見つけてくる。そして学習した結果にしたがって、さらに新しい創作物を生み出すことができる。人の感性が反応することで、コンピュータと人間の間にコミュニケーション、つまり物と人との間にコミュニケーションが生まれてくるわけです」(北島氏)

 さらに北島氏は、物と人とのコミュニケーションを、ブランドと人とのコミュニケーションに発展できるかもしれないと期待を語る。

 「企業のブランドというのは、結局その企業が伝えたい精神や個性を擬人化したもの。個性を持ったブランドとコミュニケーションするような発展した使い方もできると思っています」(北島氏)

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3つの観点からプロトタイプを開発

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この記事の著者

小島 高広(コジマ タカヒロ)

フリーライター。B2BセールスプラニングやSFA設計/管理に携わってきた経験を生かし、マーケティング、IT関連を中心に執筆活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/11/10 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25407

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