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アトリビューション分析で正しい広告評価を ~日本の現状と米国最新事例まで~

なぜ浸透しない?日本企業が抱えるアトリビューション分析の課題とは

真の広告測定に必要なのはCV貢献度の分配

 さて、全ての接触した広告の計測が可能になると、ある問題が出てきます。それは「どの広告がCVに役立ったのか?」ということです。例えば、下の表Aのように、CVの直前の広告のみを計測していた時は、CV1件分の貢献度を広告Cに分配すれば良かった訳です。

表A

 しかし、全ての広告接触を計測した表Bでは、1件のCVに対して複数の広告が寄与しているため、貢献度を計算することが難しくなります。

表B

 そこでCVへの貢献度を集計、分析し、分配モデルを利用しながら各広告の貢献度を正しく評価する必要が出てきます。分析手法やモデルについては次回触れますが、広告ごとの貢献度をどう重み付けするかを考え、それぞれの広告を評価することが重要です。

 このように、CVを促した可能性のある全ての広告接触を計測し、適切に評価した上で広告予算を再配分することで、広告全体の効果を向上させる。これがアトリビューション分析の概要であり、意義であるといえます。

日本におけるアトリビューション分析の現状

 ここまで、アトリビューション分析の概要を解説してきました。しかしながら、実際にアトリビューション分析は日本の広告主にどの程度普及しているのでしょうか。

 結論から申し上げると、まだ多くのマーケターが、CV直前のラストクリックの広告のみを集計し分析しているように思われます。ある調査では「アトリビューションや分析のことは何もわからない」と回答したマーケターが27%にのぼり、米国(5%)、ヨーロッパ(3%)に比べて、高いという結果も出ています(AdRoll: State of the Industry Report-Japanより、関連ニュースはこちら)。

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アトリビューション分析を実施しないデメリットは?

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AOLプラットフォームズ・ジャパン株式会社 小瀬 優一(コセ ユウイチ)

 AOLプラットフォームズ・ジャパン(株) デマンドマーケティンググループ データ&アトリビューションチーム リーダー。2008年よりアクセス解析ツールベンダーにて、アクセス解析ログを用いたWeb解析に従事。ウェブコンサルタントとして、定量データに基づくWebサイトの現状把握や改善、広告効果測定やROI最大化のため...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/10/26 12:00 https://markezine.jp/article/detail/25443

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