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MarkeZine Day 2016 Autumn レポート

「離脱してもいい、重要なのは戻って来られる仕組み」サンリオが語る“3世代に渡る”お客様との付き合い方

リアルだからこそ伝わる、世界観や感動

 続いて田口氏は、リアルなタッチポイントの例を紹介した。リアルな体験でユーザーにネットでは伝わらない感動や温度感を与えることは、ブランドに対するユーザーの思いを強化することにつながるという。

サンリオショップ

 サンリオのビジョンを伝える“場”と位置づけられており、キャラクター満載のサンリオの世界観を前面に押し出し、最高の購買体験を提供している。

 「以前、 “商品をどこで買いたいですか?”とアンケートをした際に、サンリオショップが群を抜いて1位でした。いくらECが便利だといっても、ファンとしては、できればお店でサンリオの世界観を肌で感じながら買い物をしたいというのが本音なのです。それだけ、リアルな体験が大切だということがわかります」(田口氏)

 また、店舗では“サンリオプレイスクール”という、子供イベントを定期開催している。そこでは店頭スタッフと砂絵やシールなどを作って楽しむ思い出を作ることで、大人になっても懐かしみ、サンリオに好印象を持ち続けるきっかけにしているという。

サンリオピューロランド

 “世界一サンリオな場所”、“キャラクターたちとの触れ合いの場所”をコンセプトに、ハロウィーンパーティーや、キャラクターグリーティングなど、様々な企画を行っている。

 「なかには、キャラクターのデザインのカレーを何種類も用意したカレー選挙や、ハローキティのボーイフレンドのダニエルが壁ドンをしてくれる企画など、ファンが喜ぶユニークな体験を提供しています」(田口氏)

キャラクターカフェ

 近年、多くの支持を集め、海外でも急速に展開しているものがキャラクターカフェだ。なかでもポムポムプリンのプリンカフェは、シンガポール・香港・台湾で展開しており、週末には行列ができるほど大好評を博しているという。

 「キャラクターの世界観に彩られたインテリアとメニューで、キャラクターを身近に感じられます。さらに、こういったカフェの効用の一つとして、お客様は必ずかわいい料理を写真にとって、TwitterやInstagramに投稿してくださいます。それを見た方が、“かわいい!私も行きたい!”となり、友達が友達を呼ぶ結果に。非常に強力な、拡散のためのタッチポイントとして機能しているのです」(田口氏)

抱きつきプリン プロモーション

 渋谷と新宿の駅通路の柱に巻き付ける形で、ふわふわした抱きつけるポムポムプリンを設置。癒やし系キャラに実際に癒やされてもらおうという、体験とSNSでの拡散を組み合わせたプロモーションだった。設置後、キャラクターのアカウントで告知すると、3時間で25000ツイートを超えた。最終的にはインプレッション870万回、いいね68000、リツイート57000、エンゲージメント総数169万、キャラクターのフォロワーは5500人増加した。

 「ユーザーへのリーチはもちろん、共感をもって受け止められたことで、単純に広告を打つよりもはるかに大きな成功をおさめました」(田口氏)

デジタルキャンペーンで、より体験を強める

 さらに、デジタル上でもより体験に寄ったアプローチを模索している。

ちゃんりおメーカー

 ピューロランドの2015年夏の集客プロモーションとして実施され同施策。自分そっくりのアバターを、サンリオ風のかわいいイラストで作成できるというもので、作った“ちゃんりお”は、ピューロランドのデジタルパレードに参加できる仕組みとなっていた。結果は、1ヶ月半で特設サイトのPVが1億を突破。膨大な拡散を引き起こして、2000万以上のアバターが作られた

キャラター大賞2016での“なでる投票”

 投票したいキャラクターを、スマートフォンなどのタッチパネルでユーザーになでてもらう企画。なでることによって、キャラクターのデザインが変化する。

 「普通にただ投票ボタンをタップする方法に比べて、体験という要素が加わるので、ユーザーとキャラクターとの距離が近くなると考えています。なでた時間もカウントしていて、1位はポムポムプリンの4600時間でした。その時間の長さには単純な票数以上に、キャラクターへの熱量や思いの強さを感じました」(田口氏)

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線ではなく、点の連鎖で考えるカスタマージャーニー

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/11/22 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25465

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