デジタル、テレビ、雑誌それぞれが持つPR効果の違い

MZ:共感というと、シェアするという文化があるキュレーションメディア、ソーシャルメディアと相性が良いように感じるのですが、やはり両メディアの影響力は強くなってきているのでしょうか。
久木田:着実に強くなってきていると感じます。スマートフォンの普及にともない、お客様の接触頻度が高くなっているではないでしょうか。
キュレーションメディアやソーシャルメディアでは、意外な切り口で商品が紹介されたり、発売からしばらくたったものが改めて取り上げられたりするので、同じ商品が何度も露出するケースもあります。
MZ:なるほど、テレビと雑誌の影響力はどのように見ていますか。
久木田:雑誌はじわじわとくるイメージですね。刊行後にすぐ手に取るとは限らないことが大きいと思います。テレビは午前に放送されると午後には商品がなくなるといったことがあるくらい、影響力はとても大きいです。
これらを踏まえると、キュレーションメディアやソーシャルメディアは雑誌とテレビの中間に位置しているように思います。一定の影響力もありつつ、継続して拡散されるので、効果が長続きする印象があります。
事例に見るソーシャル、キュレーションメディアの影響力
MZ:メディアの特性をそれぞれ理解していらっしゃるのですね。ここからはキュレーションメディアやソーシャルメディアを活用した事例をいくつか紹介いただけますか。
久木田: in private(インプライベート)というPLAZAのオリジナルブランドがあり、同ブランドの夏のトラベルアイテムに関するプレスリリースを発信しました。それがMERYで取り上げられると一気に拡散され、店頭への問い合わせが激増したため、予定より早く商品を販売することになりました。
それ以来、雑誌やテレビ向けのリリースとデジタルメディア向けのリリースを使い分けるようにしています。
MZ:具体的にはどのように使い分けているのですか。
久木田:これまでは商品だけを映した宣材写真を画像素材として用意していました。現在は、キュレーターの方が取り上げやすいよう、使用するシチュエーションを意識した画像素材を用意しています。

また、Webではあえて販売直前にリリースを出しています。そうすることで、問い合わせがあってもすぐ商品が購入できる環境を整えることができると考えたからです。
MZ:他にはいかがでしょうか。
久木田:Instagramにあげたくなるキャンペーンを仕掛けました。具体的には、店頭でお買い物をした学生に、ガジョンのペンケースというロングセラーアイテムの限定カラーをプレゼントするというものです。実は、学生の間でこのペンケースを自分でデコレーションして、Instagramにアップするのが流行っていました。そこで、プレゼントすることで拡散を狙い、結果として想定を上回る反響がありました。