訪れる急激なトレンドの変化
MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、久木田様の現在のお仕事内容を教えてください。
久木田:私は、販促宣伝部の宣伝課に所属し、主に外部メディアで弊社取り扱い商品が紹介される際の窓口を担当しています。
MZ:今回は「PLAZA」のように品数の多い雑貨店が、キュレーションメディアやソーシャルメディアから得られた情報を、棚作りに活かしていると聞いています。まず、そのような取り組みを行うようになった背景を教えてもらえますか。
久木田:5、6年前、ちょうどソーシャルメディアやスマートフォンが出始めた頃からでしょうか、非常にトレンドのサイクルが短くなっているのを感じていました。というのも、これまで定番といわれていた商品の売上が全体的に下がってきたからです。
売上の下がった要因としては消費者が受け取る情報が増え、新しい商品をどんどん試すことが当たり前になり、商品を定番化しにくくなっていることが大きいです。
MZ:それに対して、御社ではどういった対策を取ったのですか。
久木田:単なる商品の販売にとどまらない、提案型の棚作りですね。これまでは、商品カテゴリーごとに担当者がいて棚を作るのが一般的でした。その縦割りだった状況を打破するため、各店舗にプロモーション担当を配置し、2週間ごとに企画を考え、カテゴリーにとらわれない商品配置を行うようにしました。2週間に1回なのは、PLAZAのリピーターの来店頻度が月2回というデータがあるためです。
共感を促す棚作りが重要に
MZ:提案型の棚作りで心がけていることを教えてください。
久木田:今、キュレーションメディアやソーシャルメディアを通じて、お客様がトレンドを発信するようになっています。そこで非常に重要だと感じているのが、「共感してもらえる売り場」を意識することです。
PLAZAのお客様は自分で買うのはもちろん、ギフトに対する需要も高いので、「これは誰かにあげたい!」と共感していただく必要があります。またInstagramが登場したことで、写真映えする商品も共感を得るようになっています。
MZ:では、以前に比べるとInstagramの投稿やキュレーションメディアを参考にするケースも増えたのではないですか。
久木田:そうですね。例えば、スマートフォンケースとネイルを一緒に撮影する方が多いとInstagramの投稿を調べた結果わかりました。今まではただネイルを施した手を撮ってアップしていたのが、スマートフォンケースにネイルのデザインを合わせて一緒にあげた方が共感を得られる、というトレンドができていたのです。そこで、これらに関連した商品を併売する棚作りを行いました。
このようなトレンドの提案を先に弊社から仕掛けて、それがInstagramの投稿やキュレーションメディアの記事に反映されていくことを目指しています。自分たちの棚作りに共感してもらえている証になるので。