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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

定期誌購読者インタビュー(AD)

紙ならWebで拾いきれない情報に気づける――定期誌『MarkeZine』、富士フイルムでの使い方

 編集部が毎月お届けしている紙の定期誌『MarkeZine』は、どのように利用されているのか。購読を検討されている方だけでなく、制作している我々も「実際」が気になるところです。そこで今回、購読していただいている富士フイルムの一色昭典さんにお話をうかがいました。富士フイルムと『MarkeZine』の意外な共通点とは?

「紙」になること自体に期待があった

――一色さんはかねてより部署を横断してデジタルマーケティングを推進する立場にあり、様々なアンテナを張っていらっしゃったと思いますが、最初に本誌を知っていただいたのはどういうきっかけだったのでしょうか。

一色:元々Webのほうは拝見しており、2015年11月に定期誌の創刊パーティを開催することを知ったのが最初です。私はあいにく出席できなかったのですが、今の時代に紙で雑誌を作られることに驚きつつ、「一体どんな目的があるのか」「でも、むしろ効果的なのでは」と大変興味が湧きました。

――元々はWebのプレミアム会員サービスを考えていたのですが、MarkeZineを運営する翔泳社は出版社ということもあり、紙媒体の制作ノウハウがあります。ですから、その強みとMarkeZineに読者がいるという強みを組み合わせたものとして紙の定期誌を刊行することにしたんです。

一色:私は紙というところに注目しました。実は、紙とモニターでは情報の受け取り方に違いがあります。ご存知ですか?

――私の感覚ですが、紙のほうが自然と集中して読める気がします。モニターで読むと、どうしても意識的に集中しないと情報が頭に残らない印象がありますね。

一色:おっしゃるとおりで、どうやら紙の反射光とモニターの透過光では脳の反応が異なり、情報を理解して記憶するのなら反射光で見るほうが優れているようなんです。教科書や参考書がいまだ紙ばかりなのもそこに理由があるらしいですね。

 弊社ではこのことを写真に当てはめて研究しています。一昔前はデジタルモニターがもてはやされ、印画紙に現像された写真のアルバムは必要なくなると言われていました。ところが、デジタルモニターのアルバムは今ではあまり話に上がりません。

 ただ、そうは言っても、今のユーザーはデジタルデータをプリントしてアルバムにする動機が弱い――「アルバム作成はいつかしなくてはと思うけれど、今は別にいいや」という気持ちを持っていらっしゃいます。ニーズは顕在化していますが、優先順位が下がっているんです。ですから、反射光で見る紙の写真が人間にどういったよい影響を与えるのか科学的なエビデンスを提示して、データを紙の写真(プリント)で残す良さを改めて知っていただき、アルバム作成の必要性を訴求しようとしているんです。

 その意味で、紙の定期誌に取り組むのはいい選択なのではないかと思ったんですね。もちろん読み直したいときに起動しなくてもいい紙のストレージ性や、テーマに沿って最新の情報がまとまっているという点でも期待がありました。

一色昭典さん
一色昭典さん:富士フイルム株式会社

チーム全員で情報共有するために

――購読の決め手は何だったのでしょうか。

一色:他社でもこうした専門性の高い定期購読誌を発行していますが、『MarkeZine』の場合はデジタルマーケティングに特化しつつ、その中で様々なテーマをタイムリーに取り上げられています。それが魅力的でしたし、そもそもデジタルマーケティング全般を射程に捉えている紙媒体の情報誌はほとんどありませんから、これは購読しておくべきだと判断しました。

――社内ではどなたが読まれていますか?

一色:私の所属するe戦略推進室全員です。本誌はまず私のところに届きますので、全体に目を通し、気になった記事があれば付箋を貼ります。特に誰がマストで読むべき記事なのか、付箋にきちんと名前を書いていて、読み終わったら付箋を取るというルールにしています。

 私自身はイベントやセミナーに登壇することが多く、他社の方と繋がって情報共有する機会に恵まれています。しかし、部下はそうではなく、実務が忙しくなかなか外出できません。必然的にWebで情報収集することが多く、私も有用だと感じた記事をシェアしていますが、シェアする手間があったり、部下も情報を追いきれなかったりしています。

 最新情報のまとまった本誌が毎月届くというのは、自分たちで調べる手間を大幅に削減してもらえるということです。特に、私が部下に知っておいてほしい、調べておいてほしい事柄を具体的に指示できるようになるのはありがたいです。

 単に「いろいろ調べておいて」と言っても漠然としていて、何から調べたらいいのか見当もつきません。ですが、「『MarkeZine』の記事にこの人が出ているから、この人の情報や記事を調べておいてほしい」と言えば、やることは明白です。

定期誌『MarkeZine』
第12号の特集は「マーケターに必要な数字力」

紙で触れることで気づかなかった情報に目が留まる

――Webは調べる装置であり、本誌は何について調べるかのきっかけとして利用されているんですね。我々としてもWebと紙でどう違いを出せるかと考えました。そして、Webは自分が知っている情報しか調べられませんが、紙の雑誌という形式であれば「知らなかったけれどいい情報」に気づくことができると思い至ったんです。ですから、まさにそうした形で利用されていると聞き、大変嬉しく思います。

一色:検索する側も、何を見つけなければならないのか曖昧なままより、キーワードが明確になっているほうが取りかかりやすいですよね。情報が見つかったときも「これでいいんだろうか」と不安にならず、はっきり目的を達成したことがわかるので気持ちいいんです。

――Webで調べるために紙があるということは、本誌が提示していきたい価値の一つです。Webが当たり前になった今、これまでの「新聞の一面」に相当する情報がわかりにくくなっていますから、その機能を本誌に持たせられれば大きな強みになると考えています。

一色:月1回、60ページほどのボリュームで届くのもちょうどいいですね。Webの記事にすべて目を通すのは難しいですし、興味のあることしか読みませんが、これだとひととおり読んでおきたくなるんです。Webなら気にも留めない情報でも、紙で触れることでその価値に気づける可能性は大いにあり、そこから詳しく調べていくことができます。その価値があるはずだと思って読めるのは、MarkeZineに信頼を抱いているからです。

――ありがとうございます。

一色:その信頼があるからこそ、経営層に対する説得材料としても活用させていただいています。口頭で説明するだけでは納得してもらえないとき、Webの記事をプリントアウトして持っていくこともできますが、この定期誌のここに書いてあるとすぐに提示できるのがありがたいんです。

 たとえば今取り組んでいるマーケティングオートメーション(MA)を導入しようとした際、これがどういうもので何ができるのかを説明しなければなりませんでした。そのとき、MAに関する記事が掲載されていた第7号(特集は「テクノロジーで革新する次世代CRM」)が役に立ってくれました。MAを活用したマーケティングフローの図もあって、その役割が一目瞭然です。

定期誌『MarkeZine』
1ヵ月分無料キャンペーンも実施中

――印象に残っている特集や記事はありますか?

一色:第5号の特集「人工知能でマーケティングを加速する」ですね。バズワードとして広まっていても、現場の人からすれば「結局のところ、実務でどうなのか」という疑問があります。それに対して丁寧に応えてくれる特集でした。

――バズワードはそれに関わる人が多いので捉え方も多様になり、大きな概念としての議論をよく見聞きしがちです。我々はやはりマーケターの目線で見ることを基本的なスタンスにしています。人工知能については、マーケティングに密接に関わる切り口としてディープラーニングやAIチャットボットなどを取り上げました。

一色:マーケティングという軸で整理されているんですよね。AIやこれからの言葉だと、シンギュラリティといったバズワードを持ち出されても知りたいのはそこではなくて、今我々にとってどんな価値があるのかということです。人工知能によって生活者の行動や消費のあり方がどう変わるのか、そういった角度の情報を知りたいんですよ。

――実は8月に、「AI(人工知能)はマーケターの仕事・キャリアにどのような影響を及ぼすのか?」というテーマで、読者限定イベントを開催しました。定期誌だけでなく、総合的なサービスとしてご提供していく取り組みの一環なのですが、ここでも目線はマーケターの実際に合わせました。

一色:定期誌以外にもサービスを提供されていることは存じています。こうした取り組みは有意義ですし、大変ありがたいですね。ただ、まだそこまで活用できていませんので、これからは部下ともども活用していこうと考えています。

――MarkeZine Stockという、定期誌に掲載した資料や図表、データをダウンロードできるサービスもありますので、ぜひマーケティングや企画書などに利用していただけると嬉しく思います。

他社の動向を知って関係作りにも活用できる

――最後にお尋ねします。今後、定期誌『MarkeZine』および定期購読サービスにはどんなことを期待されていますか?

一色世の中で起きていることを、マーケティングという文脈で噛み砕いて伝えていただくことです。また、本誌は学術的な内容ではなく、実務者に役立つ内容がまとまっています。ですから、横の繋がりがある他社の方々がどう動いているのか、より深く知ることができるといいですね。

 他社の方とは対面でお会いして話をする機会があるのですが、そのとき事前に情報を知っているとより深い話ができ、いい関係を作りやすいんです。MarkeZineは多くの企業とお付き合いのあるメディアという立場ですから、ネットワーキングに活用できる内容も期待しています。

――ありがとうございます。本誌を活用いただけていることを知り、よりクオリティを高めていかなければならないと身が引き締まりました。これからも、より多くの方に「本誌を読んでおけば大丈夫」と思っていただける存在を目指していきます。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/01/11 17:15 https://markezine.jp/article/detail/25614

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