ケーススタディ:DEFY Media
Anthony PadillaとIan Hecoxが2005年に開設したコメディチャンネルSMOSH(登録者2,200万人以上)をはじめ全世界のトップYouTubeチャンネルを多数抱えているDEFY Mediaは、動画制作に関わる社員の数が130人を超えていて、彼らのオフィスは半分以上のスペースが撮影スタジオになっています。
クリエイターと一緒に動画のコンセプトを考え、一緒に撮影編集を行い、動画の企画からポストプロダクションまですべてに制作スタッフが関わっています。また、もう一つ特徴的なのは、ほとんどの所属クリエイターが実際にDEFY Mediaの社員であるということです。

彼らが制作する動画は今、日本のYouTube上で人気を集めているようなYouTuberによる「日々の動画」「商品レビュー」ではなく、テレビ番組のような「コンテンツフォーマット」がしっかり決まっています。そのフォーマットに沿って日々制作されており、その代表的な事例としてコメディチャンネル「SMOSH」が挙げられます。
SMOSHがYouTubeで活動を始めた当初(まだMCNにも入っていなかった初期の頃)、当たり前ですが、他のクリエイターと同様に日々単純に思いついたことをそのまま動画にしてアップしていたようです。しかし、ここ数年のSMOSHの動画を見てみると、それは大きく変化していてチャンネルにいくつかの「コンテンツフォーマット」が存在していることがわかります。
IF … WERE REAL (もし○○が本当だったら…)
映画やスーパーヒーロー、ゲームに出てくるアイテムなどのポップカルチャーのネタをモチーフにして、「そういうものが実際に存在したらどうなるか?」というコメディ形式のフォーマット。
動画の始めに必ずSMOSHの2人がトークをしてからたくさんのショートコントがまとめ動画のように並び、最後に「やっぱり、これ実際に存在したらやばいよね?」というオチで終わる統一感のある作り。
EVERY … EVER(○○あるある)
一つのテーマを決めて、それについてたくさんの「あるある」ネタをショートコントで並べるフォーマット。季節のネタはもちろん「女の子あるある」などが特に人気。視聴者にも「次のあるあるは何にしてほしいかコメント欄に書いてね」とファンのエンゲージメントを高める部分もある。