手間のかかる施策を自動化、効果UPと工数削減に貢献
カクヤスには、EC会員向けの“御用聞きメール”と呼んでいる施策がある。ビール瓶1ケースを購入した顧客に対して、そのビールが無くなりそうなタイミングで次回購入を促すものだ。このメールは、開封率もコンバージョン率も高いことがわかっていたが、全て手作業で行っており、手間がかかっていた。
「B→Dashでオートメーション化が進んだことで、その手間も無くなりました。今は、どういうシナリオを組むか、セグメントをどう細分化するかに集中できています」(古正氏)
セグメントの細分化に集中できるようになった結果、新たに気づくこともあった。例えば、缶ビールを2ケース買った場合の消費サイクルは単純に1ケース買ったときの2倍というわけではなく、さらに早くなるという。
「沢山あると、消費サイクルも早くなるという示唆が得られました。我々としては、そういった点も考慮したセグメントを「B→Dash」を活用して考えていきたいです。また、酒類の違いでも飲み方は当然変わります。商品やカテゴリーごとの違いも深掘りして、お客様の好みに合わせた訴求を展開していきたいと思います」(由布氏)
また、ここまでデータドリブンな施策を進められるようになったのは、「UIの使いやすさも大きい」と由布氏は語る。
「以前のツールは海外製で、UIや操作性に違和感があった。一方でB→Dashは国産ということもあり、日本人にあったUI設計になっています。社内でも使えるメンバーが明らかに増えました」(由布氏)
実際に、以前のツールでは2、3人しか使える社員がいなかったのに対し、現在はマーケティング担当だけでなく、商品部などの別部署にもIDを付与し、10人ほどが活用しているという。
酒類メーカーとの連携や店舗とECの相互活用にも
今後、カクヤスは「B→Dash」をどのように活用していくのか。この質問に対し両氏は、顧客や消費行動の理解をより深めていきたいという。
「オートメーション化がようやく可能になったので、お客様の好みに合わせたOne to Oneマーケティングが実現できるよう、日々PDCAを回していき成功のシナリオを作っていきたいですね」(由布氏)
また、「B→Dash」で得たデータを酒類メーカーと共有して、共同企画の実施にも意欲を見せる。
「すでに、酒類メーカーさんのデジタルマーケティング部と連携した施策を考えています。くわえて、当社の持つ実店舗へも活用していきたいですね。店のスペースは限られているため、リピート率の高い商品をできる限り多く置きたい。
そのため、B→Dashでの分析で得られた情報を店舗と共有し、将来的には実店舗のデータを取り込んでECに活かすといった取り組みも実施していきたいと考えています」(由布氏)
カクヤスは今後、B→Dashを活用して本格的なOne to Oneマーケティングを行っていく。顧客ごとの購買特性・行動特性を全てデータ統合し、よりパーソナライズされたデータ環境を軸にEC戦略を組み立てていく。カクヤスが考えるこれからのEC戦略の中心は“データ統合”と“パーソナライズ”。今後の動向にも注目したい。
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