UXの最適化に活用できる2つのツール
ここからは、デジタルマーケティングの視点からUXを解説します。現在、顧客に合ったUXを実現するために、注目されているツールが2つあります。それはDMPとマーケティングオートメーション(以下、MA)です。
例えば、ユーザーの行動や思考を理解するために企業活動のデータを集約するDMPを導入し、その上でMAによって個別最適化された情報を送ることが考えられます。

DMPの登場は、データ連携をした施策を可能にしました。最近ではPOSデータやアプリ内行動のデータなどを取得することで、オムニチャネル化を考慮した施策を行う企業も増えてきました。
ただし、DMPやMAは、導入後のPDCA運用で大きく成果が変わります。蓄積した様々なデータをもとに、効率やボリュームを考え、情報の出し分けをすることでマーケティング効率は上がります。
また、PDCAを回すサイクルも週、月単位で続ける体制が必要となるでしょう。導入を考えられている方は、施策の自由度はもちろん、クリエイティブの変更や運用体制の整備など体制面での変革も十分考慮するようにしましょう。
UXを実現するメディアデザイン
UXは、SNSという一つのチャネルだけでも様々なことが考えられます。SNSは、スマートフォンの中でも利用時間が長く、それぞれの特徴に合わせたコミュニケーションの取り方が必要です。
ちなみに読者の皆さんは、Facebook、Instagram、Twitter、LINEで情報発信をする際、それぞれをどういった位置づけで活用していますか。また、ユーザーがそれぞれのSNSに接する際の感情や関係性を考慮できているでしょうか。
例えば、ある女子高生をターゲットにした場合、各SNSとの関係は以下の図みたいなものがイメージできます。

Facebookは部活の先輩との関係構築に使われています。女子高生からすると、普段お世話になっている先輩には真面目で熱心な人物と思われたいので、不要なものをシェアしないでしょう。
Instagramは、親友や恋人のような大切な存在に見てもらうものとして機能しています。Facebookなどに比べ、本音に近いものの、自分をよく見せたい欲求がより働きます。
Twitterは学校外の友人、好きなバンドのライブを一緒に見に行く友人などとのコミュニケーションに活用されています。バンドのライブ情報やテレビの出演情報があるとすぐに教えてくれます。部活がきつい、彼氏と上手くいっていないといった愚痴がいえる存在でもあります。
LINEに関しては、ここではタイムラインにフォーカスを当てますが、クラスメイトとのやりとりに利用しています。普段の生活の中で関わりは深いですが、この中にはほとんど趣味が合わず話さない人もいれば、親友もいます。
これはあくまでも、役割を分ける際の一例でSNSの使い方は多種多様です。しかしここで伝えたいのは、同じ情報を発信する場合でも、先輩や恋人、クラスメイトなど相手によって使うSNS、伝える情報が違うということです。つまり、SNSを複数運用する場合、それぞれでどういったユーザーと関係を築くのか考えながら行うことが重要です。